最近の研究に脚光:B型大動脈解離の長期的生存率に対するTEVARの影響

ソース: https://www.ctsnet.org/article/highlighting-recent-research-impact-tevar-long-term-survival-type-b-aortic-dissection

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「 The Annals of Thoracic Surgery (胸部外科年鑑)」に最近発表された研究では、下降胸部大動脈や胸腹部大動脈の解離の治療結果を遡って比較している。B型大動脈解離(TBAD)の現在の標準的な治療は、患者に潅流障害や破裂のような合併症があるかどうかによって異なる。合併症のあるTBADの患者には急性期の修復が示されるが、合併症のないTBADの一次治療は、至適薬物治療(OMT)と呼ばれる積極的な高血圧のコントロールである。合併症のないTBADの患者には、解離の修復を必要としないかもしれない患者の不要なコストや外科合併症を避けるため、解離の修復は推奨されない。このやり方の短期的な結果は素晴らしいが、無介入生存率は5年でたった63%、6年で41%と報告されている。同じように全生存率も期待外れなもので、3年で75%、5年で60~80%の範囲である。このような残念な長期的結果は、TBADに合併症がない限り解離の修復を遅らせるという判断に疑問符を突き付ける。

TBADの結果の自然歴をよりよく理解するため、ルーとその同僚は、急性TBADの患者398名の16年分のデータを見直した。合併症のある急性TBADの患者は、初期診断時に胸部大動脈の血管内修復(TEVAR)を受けたが、合併症のないTBADの患者は当初OMTを受けた。合併症のないTBADの患者は、最終的な治療戦略に基づいて、観血的な外科修復、TEVAR、OMTの継続群に分類された。著者たちは、合併症のないTBAD患者は、すべて長期的な結果がよくないことを発見した。10年後の全生存率は58.9%、無介入生存率は30.9%だった。この研究の上席著者であるブラッドリー・レシュノワー博士は、「最も驚くべき発見は、合併症のないTBAD患者の長期的結果のひどさと、合併症のあるTBAD患者の長期的結果のすばらしさでした…初期診療時にTEVARで治療された(合併症のあるTBAD)患者は、ハイリスクなコホートであるにも関わらず、10年後の生存率は84.1%でした。」

ルーとその同僚により16年間以上にわたって遡って研究されたTBADの血管内治療は、エンドグラフトのカバー範囲が左鎖骨下動脈から腹腔動脈まで日常的に拡張されるより積極的な治療戦略へと進化した。レシュノワー医師は、この治療戦略の変化は、初期の血管内修復の長期的結果の改善の観察を緩和するものではないと強調した。「私たちの研究から「学ぶべきメッセージ」は2つあります」とレシュノワー医師は語る。「1番目は、合併症のない急性TBADに対するOMTは、長期的には悪い結果を生むということ。2番目は、TBADの急性期にTEVARで治療された患者は、OMT限定で治療されTEVARが遅れた患者に比べると、長期的な生存率が改善されたということです。(私たちの)研究や他の研究結果に基づくと、合併症のないTBADの管理は、将来より積極的なものになり、大多数の患者で、血管内治療がOMTに取って代わるものになるでしょう。」

この研究は、近年のTBAD治療の試験から得られた知見を補うものである。ADSORB試験は、OMTとTEVARの1年後の死亡率に差を見出せなかったが、ルーとその同僚のデータは、より長い追跡期間だと、初期のTEVARの方が長期的な生存率が改善されることを示唆している。INSTEAD試験は、慢性TBADの結果がOMTよりTEVARの方がよいことを実証し、著者たちの研究は、急性期のTEVAR介入は慢性期のTEVAR介入にくらべてTBADの結果がよいことを示唆することにより、このような発見を補足している。著者たちはこの分野の研究を続けており、注目の対象を、OMTが失敗し易い場合やTBADの大動脈拡張を示しやすい主亀裂の特性を判定するのに役立つ可能性のある、予測因子に移している。そのような予測因子は、積極的な治療戦略の対象が、そこから最も恩恵を受ける患者であることを確実にするために、重要な検討対象になるだろう。

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腹部大動脈瘤の血管内修復後の長期的な結果:最初の10年

ソース: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16926569

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目的:
腹部大動脈瘤の血管内修復(EVER)の適切な役割は、長期的な結果の不確実性から、依然として議論の的になっている。著者たちはEVARの経験を12カ月分見直して、長期的な結果を記録した。

方法:
1994年1月7日~2005年12月31日の期間に、873名の患者にEVERを実施し、異なる10種類のステントグラフト装置が利用された。調査対象となった主な結果としては、手術中死亡率、動脈瘤破裂、動脈瘤関連の死亡率、open surgical conversion、長期生存率がある。また、エンドリーク、移動、動脈瘤の拡大、グラフト開存の発生も判定された。最後に、再介入の必要性とそのような二次処置の成功も評価された。分析には、カプラン=マイヤー法や多変量解析法が利用された。

結果:
患者の平均年齢は75.7歳(49歳~99歳)だった。81.4%が男性だった。平均追跡期間は27カ月だった。患者の39.3%には2つ以上の併存疾患があり、19.5%は開腹修復術には適さないと分類されていた。包括解析(ITT)ベースでは、デバイス展開の成功率は99.3%だった。30日死亡率は1.8%だった。カプラン・マイヤー分析によれば、腹部大動脈瘤の破裂を回避できた率は、5年後で97.6%、9年後で94%だった。後発の腹部大動脈瘤の破裂も有意なリスク因子としては、性別が女性であること(オッズ比=6.0、P=0.004)とデバイス関連のエンドリーク(オッズ比=16.06、P=0.009)がある。動脈瘤関連の死亡は、96.1%の患者で回避され、最も重要な予測因子としては、再介入の必要性(オッズ比=5.7、P=0.006)、動脈瘤疾患の家族歴(オッズ比=9.5、P=0.075)、腎不全(オッズ比=7.1、P=0.003)がある。再介入の必要だった患者は87名(10%)であり、そのような処置の92%はカテーテル・ベースであり、その成功率は84%だった。再介入の有意な予測因子としては、第一世代デバイスの使用(オッズ比=1.2、P<0.01)および後期発症のエンドリーク(オッズ比=64、P<0.001)があった。開腹修復術への転換の累積回避率は、5~9年で93.3%であり、その最も重要な予測因子は、事前の再介入の必要性(オッズ比=16.7、P=0.001)だった。累積生存率は、5年間で52%だった。

結論:
現代のデバイスを利用したEVARは、腹部大動脈瘤の破裂や大動脈瘤関連の死を防ぐための、安全で効果的で耐久性のある方法である。腹部大動脈瘤の適切な解剖学的構造を前提とすれば、このようなデータは、EVARを多様な患者に幅広く適用することを正当化している。

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胸部大動脈瘤の治療のための、胸部大動脈の血管内修復(TEVAR)と観血的手術の長期的な比較

ソース: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022522312005892

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目的
胸部大動脈の血管内修復(TEVAR)は、胸部大動脈のさまざまな疾病の治療として広く確立されているが、その利用を支持する長期的データは限られていた。著者たちは、胸部大動脈瘤に対する、商用利用可能なステントグラフト3種類を用いたTEVARの長期的結果を、観血的手術を実施した対照群の結果と比較した。

方法
臨床試験に参加した患者の、人口統計的・臨床X線パラメータを予測的に収集し、 Gore TAG (55)、Medtronic Talent (36)、およびCook TX2 (15)のデバイスを評価した。結果は、同時期の45名の観血的手術の対照群と比較された。分析には、詳細な臨床情報とX線情報が利用できた。標準的な一変量、生存率、回帰法が使われた。

結果
研究期間(1995~2007年)に、106名の患者がTEVARに参加し、観血的手術の対照群は45名だった。TEVARの患者はより高齢で糖尿病や腎不全のような併存疾病が有意に多かった。TEVARの患者は2.3 ± 1.3のデバイスが移植されていた。死亡(TEVAR=2.6%、観血的手術=6.7%、P=.1)、麻痺(TEVAR=3.9%、観血的手術=7.1%、P=.2)、24時間以上の長期挿管(TEVAR=9%、観血的手術=24%、P=.02)は、観血的手術の方が多い傾向があった。10年間の全生存率は、どの群でもにたようなものだった(ログランク P=.5)。遅発性脂肪の多変量予測因子としては、年齢、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、慢性腎不全などがある。TEVARと観血的手術の利用は、死亡率には影響しなかった(ハザード比0.9、95%信頼区間0.4~1.6)。TEVAR群の5年以上のX線追跡では、大動脈の平均直径は61mmから55mmに減少していた。TEVARの患者の治療部分に10年以内に再介入を受けなくて済む率は85%だった。

結論
TEVARは、胸部大動脈瘤を治療する安全で効果的な手技で、手術中の結果は胸部大動脈の観血的な修復より向上し、長期的な結果は観血的な修復と同様である。TEVARで治療された大動脈瘤の直径は、初期には縮小し、その後長期的には安定していた。

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B型大動脈解離の血管内修復

ソース:http://circinterventions.ahajournals.org/content/early/2013/08/06/CIRCINTERVENTIONS.113.000463

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大動脈解離臨床試験におけるステントグラフトのランダム化調査の長期的結果

背景 - 胸部大動脈の血管内修復(TEVAR)は、B型大動脈解離の治療コンセプトを代表している。合併症のない解離に対するTEVAR後の長期的な結果と形態学はまだ知られていない。

方法および結果 - 適切なB型大動脈解離の患者合計140名が、至適薬物治療+TEVAR(n=72)と至適薬物治療のみ(n=68)の間でランダム化され、指標手技の2~5年後のランドマーク統計分析を利用して、大動脈のみの結果、全死因の結果、疾患の進行がそれぞれ分析された。群間の結果の比較にはコックス回帰が使われた。全分析は包括解析(ITT)ベースで行われた。5年後の全死因死亡率のリスク(11.1%対19.3%、P=-0.13)、大動脈のみの死亡率(6.9%対19.3%、P=0.04)、疾患の進行(27.0%対46.1%、P=0.04)は、TEVARありの方が至適薬物治療のみよりも低かった。ランドマーク分析は、2~5年間のあらゆるエンドポイント、たとえば、全死因死亡率(0%対16.9%、P=0.0003)、大動脈のみの死亡率(0%対16.9%、P=0.0005)、疾病の進行(4.1%対28.1%、P=0.004)でのTEVARの利点を示唆している。1年および1カ月のランドマークでも、整合する結果を示している。選択的TEVARの5年後の生存率の改善と疾病進行の減少は、症例の90.6%でステントグラフト誘発の偽腔の血栓化に関連付けられている。

結論 - このB型大動脈解離の生存者の研究において、TEVARと至適薬物治療の併用は、大動脈のみの生存率の5%改善と、疾病進行の遅延に結び付いている。適切な解剖学的構造を持つ安定したB型解離において、長期的結果を改善するために、先手を打ったTEVARを検討すべきである。

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大動脈解離用語集

A

  • AAA=abdominal aortic aneurysmの略
  • abdominal aortic aneurysm=腹部大動脈瘤
  • AD=Aortic Dissectionの略
  • aortic aneurysm=大動脈瘤
  • aortic dissection=大動脈解離

C

  • classic aortic dissection=古典的大動脈解離
  • communicating aortic dissection=偽腔開存型大動脈解離

  • dissecting aneurysm of the aorta=解離性大動脈瘤

  • entry=入口部
  • enlargement=(解離・偽腔の)拡大
  • extension=(解離の)進展

F

  • false aneurysm of the aorta=偽性大動脈瘤
  • false lumen=偽腔
  • FL=false lumenの略
  • flap=フラップ
  • fusiform type aortic aneurysm=紡錘状大動脈瘤

I

  • IAAA=inflammatory abdominal aortic aneurysmの略
  • inflammatory abdominal aortic aneurysm=炎症性腹部大動脈瘤
  • initial tear=主な裂口
  • intramural hematoma=壁内血種
  • intramural hemorrhage=壁内出血

  • non-communicating aortic dissection=偽腔閉鎖型大動脈解離

  • pseudo aneurysm of the aorta=仮性大動脈瘤
  • primary tear=主な裂口

  • re-canalization=再開通
  • re-dissection=再解離
  • re-entry=再入口部
  • rupture=破裂

  • saccular type aortic aneurysm=嚢状大動脈瘤

T

  • TAA=thoracic aortic aneurysmの略
  • TAAA=thoracoabdominal aortic aneurysmの略
  • tear=裂口、裂孔、亀裂、皹裂、内膜裂口
  • thoracic aortic aneurysm=胸部大動脈瘤
  • thoracoabdominal aortic aneurysm=胸腹部大動脈瘤
  • thrombosed type aortic dissection=血栓閉塞型大動脈解離
  • true aneurysm of the aorta=真性大動脈瘤
  • true lumen=真腔
  • TL=true lumenの略

  • ULP=ulcer-like projectionの略
  • ulcer-like projection=潰瘍様突出像

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大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2011年改訂版)

ソース: http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_takamoto_h.pdf

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急性B型大動脈解離に対するステントグラフト治療

はじめに
急性B型大動脈解離に対する基本的な治療は,降 圧薬を用いた保存療法である.しかし,解離に伴う 合併症のある症例では,侵襲的治療が必要となる. 以前は人工血管置換術あるいはバイパス術を含む外 科的治療が唯一の治療法で,カテーテル治療の経験, 技術の乏しい施設においては現在もなおこれらの方 法が採用されている.しかし,1990年代に経皮的開 窓術が開発され,さらにベア・ステント,ステントグ ラフトの登場によって,合併症のある急性B型大動 脈解離に対する治療戦略は大きく塗り替えられてい る1).本稿では急性B型大動脈解離症例におけるステ ントグラフト治療(thoracic endovascular aortic repair;TEVAR)の適応,方法について自験例を交え て解説する.

ソース: https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/45/9/45_1096/_pdf

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開存B型大動脈解離慢性期における治療戦略

要 旨:Stanford B型は内科的治療を選択すべきとされてきたが,もはや慢性期においては開存 B型症例の予後は不良であることが知られており,実際に開存偽腔は慢性期の独立かつ強力な予後 不良因子であることが統計学的に示されている。よって,慢性期における開存B型症例に対しては 内科的治療にこだわることなく,必要であれば手術やステントグラフト挿入などの侵襲的治療をた めらわずに施行し,瘤破裂および再解離などの致命的eventを起こさないよう管理をすべきである。

ソース: http://j-ca.org/wp/wp-content/uploads/2016/03/4602_w5.pdf

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B型解離:わかっていること、わかっていないこと

ソース: http://evtoday.com/2016/11/type-b-dissections-what-we-know-and-what-we-dont/

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B型大動脈解離(TBAD)は、病理や患者個人固有の特性の厳密な理解が必要となる、複雑な病態である。大動脈解離は、一般に、時系列の情報(急性、準急性、慢性)や臨床所見情報(合併症あり、合併症なし)に加えて、解剖学的基準によって分類される。解剖学的には、解離は、上行大動脈または大動脈弓が関与する近位部解離(スタンフォードA型、ドゥベイキーI型、II型)と、上行大動脈が関与しない遠位部解離(スタンフォードB型、ドゥベイキーIII型)に分類される。

スタンフォードおよびドゥベイキーの分類は十分に確立されており、観血的再建術と内科的治療のどちらがよいかなど、臨床意志決定のガイダンスを与えてくれるが、大動脈解離の血管内治療の時代において、これらにはさらなる臨床的支援が必要だ。
デイク等が提案したニーモニックベースのアプローチでは、胸部血管内大動脈再建術(TEVAR)を検討する際に、TBADの侵襲的治療の意思決定に影響を与える6つの要因を評価した:(1)症状発症後の持続期間、(2)主エントリ亀裂の位置、(3)大動脈のサイズ、(4)大動脈の関与する部分の範囲、(5)解離の合併症、(6)偽腔。

わかっていること

TBADのあらゆる患者にとって、よい内科的治療が不可欠

大動脈解離の患者の内科的治療は、高血圧・高心拍数・心室収縮による大動脈壁の応力を軽減することにより、TBADの進行を遅らせる。したがって、胸部大動脈疾患の患者の診断や管理に関するマルチソサエティ診療ガイドラインの示唆するこのような要因に取り組むためには、内科的治療を施すべきであり、大動脈解離の治療においては、β阻害薬が第一選択肢を代表する。急性解離の場合、このガイドラインでは、心拍数を60bpm未満に調整し、収縮期血圧を100~120 mmHgにして、低血圧と臓器潅流の間のバランスを達成することを推奨している。

急性の併発TBADの最善の管理はTEVARで実現されることが多い

急性併発B型解離の侵襲的管理は、過去20年で著しく変化し、耐久性に関する長期的なエビデンスはまだないものの、血管内再建術が治療の選択肢となっている(図1)。観血的手術による再建に比べると、TEVARには、手術死亡率や初期死亡率といった好ましい結果の意味で明瞭な利点がある。さらにTEVARは観血的手術に比較しよりすぐれたQOLを提供し、1年間のコストもより低い。したがって、併発TBADの症例の治療法の第一選択肢としては、TEVARを提供すべきである。観血的再建術は、結合組織系の障害を持つ患者にとっておくべきである。このような患者では以前、観血的再建術を使って素晴らしい結果が報告されている。

急性併発TBADのTEVAR治療の目標は、主エントリ亀裂をステントグラフトで塞ぎ、偽腔の血流を真腔に導くことにより、減圧を図ることである。真腔の圧縮や崩壊による臓器灌流不全や肢虚血の場合、血流を真腔に流すことは、影響を受けた臓器や腎臓側枝、あるいは腸骨動脈の再灌流にもっとも効果的である。

TBADを初期にTEVARで治療した際の、長期的な大動脈の組織修復はより優れている

「大動脈解離におけるステントグラフトの調査・長期間追跡を含む(INSTEAD-XL )」という研究において、TEVARは、最適な内科的治療のみと比べて、5年間の追跡期間の全死因死亡率(7% vs 19%; P < .05)および総直径の変化(27% vs 46%; P < .05)の抑制を実現することができた。INSTEAD-XLとIRADの両方が示唆しているのは、最適な内科治療単独にくらべて、TBADにおける好ましい組織修復が実現されているということだ。

わかっていないこと

合併症のないTBADとは

ここ数年間のいくつかの発表が示唆したのは、典型的なパラメータ以外に、合併症を伴うTBADを示す、破裂、55 mm以上の動脈瘤、臓器潅流不全などの解剖学的要因が、動脈瘤性拡張や後期の有害転帰を予測する、ということだ。TBADの後期合併症の予測因子は、胸部大動脈の40 mmを超える早期拡張、22 mmを超える偽腔の存在、サイズ10 mmを超える近位部のエントリ亀裂、および、大動脈内側の湾曲部における位置や左鎖骨下動脈との近さなどである。さらに、特に内科的に管理された場合、周期的な痛みや治療抵抗性の高血圧が、院内死亡率の増加に関係する臨床兆候として表れる。

急性TBADの治療に関係する、臓器潅流障害の正確な定義とは

コンセンサス論文やガイドラインでは、TBAD後の腎臓臓器潅流障害はただちにTEVARで治療すべきであることに合意しているが、臓器潅流障害の厳密な定義はまだ確立されていない。潅流は、全腎動脈の約20~30%の偽腔で発生し、CTスキャン中のdelayed uptake of contrast(コントラストの遅延吸収?)に結び付く。だが、腎臓臓器潅流障害のX線学的兆候のない患者の一部は、インデックス事象の後腎機能の悪化を経験する(図3)。腎動脈の超音波は有用な情報を提供するが、そこには、慢性の臓器潅流障害による腎機能の「静かな」悪化は含まれない。どの患者がTBAD後に慢性の腎臓臓器潅流障害を引き起こすかを、より正確に判断することが、最適な治療戦略を判断するうえで、重要な要因になってくる可能性が高い。

PETTICOAT技法は、大動脈の組織修復を促進する上で効果的か?

エントリ亀裂を覆う近位部のステントグラフトと、非被覆ステントとの組み合わせ(PETTICOAT技法)は、持続的な臓器潅流障害や真腔の崩壊を伴う患者に対する治療選択肢であり続けている。真腔の臓器潅流は、大多数の場合、メインの被服付きのステントグラフト部分を留置した後に達成されるが、あらゆる腎臓臓器血管の適切な血流を回復するために、追加の処置を必要とする患者もいる。
臓器潅流不全を減らすための臓器部分の被覆ステントグラフトより遠位部に自己拡張型非被覆ステントを移植するというコンセプトは正しいと見なされている。けれども、この技法はまだ比較研究で確認されていない。非被覆ステントを利用する可能な最適な臨床的状況に関する議論はまだ解決されていない。けれども、PETTICOAT技法は、胸部や腹部の大動脈にある偽腔の容積を有意に減らすことなく、真腔のより速い拡張を促進する。これこそが、後記の再介入のもっとも一般的な理由である。

逆行性の大動脈弓の関与を伴う急性B型解離をどのように治療すべきか

解離した大動脈の近位部にエントリのある急性TBADは、逆行性の壁内血種のため、大動脈弓(あるいは上行大動脈にすら)に影響を与えることがある。このような患者は、左頸動脈のoverstentingを伴う標準のTEVARの着陸ゾーンは大動脈の健康な部分には相当しないことを考えると、血管内手術と大動脈弓の観血的手術との間のグレーゾーンにある。最近のIRADの出版物では、大動脈弓の関与の存在は、血管内手術で治療された患者の早期・後期の結果に有意な影響を与えないことを示唆している。ただし、このコホートの患者でステント・グラフトで治療された者は少ないが。心臓血管外科医は、上行大動脈の壁内血種を、観血的手術の適応症と見なしている。それには上行大動脈の上冠状・部分弓部置換術も含まれる。この推奨は、主エントリ亀裂の位置によって変わることはなく、逆行性の大動脈弓や上行大動脈の関与の症例もTEVARで十分治療できる。逆行性のA型解離のリスクを減らすためには、このような患者を標準のTEVARで治療すべきか、それとも、観血性の大動脈弓の修復を推奨するべきか、と言う疑問に答えるための十分な証拠は現在まだない。

ステントグラフトに誘発された新たなエントリ亀裂を避けるためには、

大動脈近位部の左鎖骨下動脈の高さでの直径は、通常、遠位部のランディングゾーンの高さでの大動脈直径よりも大きい。大動脈遠位部の真腔の直径はより小さいことを考慮に入れずに、グラフトのサイズを近位部の直径に合わせたときの、真腔内の半径方向力を仮定するリスクは、ステントグラフトの遠心端における解離フラップの亀裂につながる可能性がある。ステントグラフトに誘発された新たなエントリ亀裂(SINE)は、偽腔を再加圧して、偽腔の拡大につながる可能性がある。この問題を解決するために、先細りの部品を使うと、遠位部のSINEの比率を減らし、長期的な結果の改善につながる可能性がある。スピア等は、クロワッサン型の真腔の長い側を利用して、ステントグラフトの遠心端のサイズを、大きすぎないように調節することを提案している。これは、筆者たちがSINEを避けるために従った推奨である。

TBADに介入する最善のタイミングは?

合併症のないTBADへのステント留置術に対する抵抗は、「INSTEAD XL」研究の結果によっておおむね減少したが、急性期(0~14日)におけるステント留置術が、最善の内科的治療に比べて、より否定的な結果に結びつくかどうかは、まだはっきりしていない。逆行性のA型解離はよりリスクが高いとみなされており、解離膜はより易損性があり、したがって再建もより複雑になるかもしれない。手術者のほとんどは、TBADに対するTEVARの時間枠を15~90日にすることを好んでいる。

慢性解離の治療における、偽腔閉塞療法および開窓型/分岐付きステントグラフトの役割とは

TEVARを施術した患者の3分の1では、解離した大動脈の動脈瘤性拡張が進行する。もっとも一般的に関与する部分は、胸部大動脈であり、その次は、腹部大動脈である。胸腹部大動脈の偽腔の潅流を完全に排除するために、胸腹部の開窓型/分岐付きステントグラフトに直接進むことは可能だが、この処置には熟練した血管内手術の技術が必要であり、高いエンドリーク率や脊髄虚血のリスクに結びついている。胸部大動脈だけが動脈瘤であり、偽腔の腹部だけが拡張している症例の大多数では、胸部を腹部から隔離することにより、再建を胸部大動脈だけに制限することは可能なように見える。これは、キャンディ・プラグ法やニッカーボッカー法のような偽腔閉塞技法を利用することにより実現できるが、コイルとプラグのような標準的な血管塞栓材によっても実現できる(図4)。

結論

急性期か慢性期かに関わらず、この複雑な疾患をよりよく理解する必要があるのは論じるまでもなく、これは依然として、医者が答えのない疑問に直面することの多い、物議を醸す話題であり続けている。

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慢性B型大動脈解離向けのTEVAR

ソース: http://evtoday.com/2016/01/supplement2/tevar-for-chronic-type-b-aortic-dissection/

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慢性B型大動脈解離の偽腔の拡張を避ける治療戦略の議論、および、血管内療法による治療。

著者たちが、スタンフォードB型大動脈解離の治療のために、胸部血管内大動脈再建術(TEVAR)の処置を始めてから23年がたった。1998年に著者たちは、発症から6カ月以内のB型解離の侵入部位をステントグラフトで閉じることは、よりよい臨床結果に結びつき、偽腔のサイズ縮小につながることを報告した。しかし、現実の臨床診療では、TEVARはタイミングよく実施されるとは限らず、偽腔の中に動脈瘤が形成された後で行われることが多い。そのような解離性動脈瘤の症例においては、TEVARは偽腔を退縮させる上で効果的とは限らない。一方、観血的手術では、拡張した胸腹部大動脈を人工の移植片と置換する必要がある。解離性動脈瘤は肥大して胸腹部にまでおよんでいることが多いからだ。その結果、肋間動脈や腰動脈は開存したままになり、観血的手術の途中で盗血現象が発生する確率が高く、対麻痺の発生が増えることになる。結局、B型大動脈解離の治療において、偽腔拡大後に治療的介入をすると、結果は悪く、より大きな困難に遭遇する。この論文では、著者たちはまず臨床例2例を提示し、次に慢性B型大動脈解離の治療戦略を論じる。この治療戦略では、偽腔の拡大は避けられ、拡大が起こった場合でも、血管内療法で患者を治療することができる。

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