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京アニのマトリックスネタ

 京都アニメーションのアニメ作品の中に、映画「マトリックス」にヒントを得た、あるいは、意識的に引用していると見られるシーンがいくつかあることに気づいたので、キャプチャ画像で比較しながら紹介してみたい。

 パクリじゃないよ、パクリという名のオマージュだよ、とかなんとか、引用のあるべき姿や京アニの引用哲学について熱く語ろうなどという意図はまったくない。ただ、こんなの見つけちまったぜ、というのをひけらかしてドヤ顔したいだけの記事である。悪しからず。

・「日常」 - 「日常の二十三話」 - 「日常の99~100」

 これは、桜井誠に顧問を頼まれて逃げ回る高崎先生と、中之条剛に告白するウェボシーに付き添うフェっちゃんとが、校舎の階段で交錯するシーンである。そこで場面転換に使われているのが下のような効果だ。

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 はるか上空から地上の被写体に一気にズームアップする、というカメラワークは、「マトリックス」でポピュラーになった(前例はあるかもしれないが)カメラワークの一つである。ここではその手法を明らかに意識的に引用している。日常的なドラマと人工的でわざとらしいカメラワークとのギャップが一種のギャグになっている。

・「日常」 - 「日常の第二話」 - 「日常の7」

 これは、ヤオイ漫画を落書きしたノートを、間違えてゆっこに貸してしまったみおちゃんが、ゆっこの口の軽さを想像して、「その伝達力は音速!」と怖れるシーンである。下は、その「ゆっこの伝達力」をメタファーとして表現した映像である。

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 「マトリックス」の方はなんのシーンかというと、「マトリックス・レボリューション」で街中に増殖したエージェント・スミスのコピーが、ネオに倒されてバタバタと消滅していくシーンである。だから、表現している対象は全然違うのだが、表現自体はよく似てると思う。

・「氷菓」 - 第四話「栄光ある古典部の昔日」 - 「奉太郎の推理」

 これは「氷菓」事件で、当初は謎ときに乗り気でなかった奉太郎が、えるたんの深い思い入れを知って、トイレにこもって必死で推理を始めるシーンである。下は、その奉太郎の脳内の思考過程をメタファーとして表現した映像である。

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 「マトリックス」の方は言うまでもないだろう。囚われたモーフィアスを助けるためにマトリックスに進入したネオが、"guns, lots of guns" と言って大量の銃器を「ロード」するシーンである。これも、表現しているものはまったく違うが、構図的にはかなり似ている。

・「氷菓」 - 第十話「万人の死角」 - 「奉太郎の推理」

 これは「愚者のエンドロール」事件で、奉太郎が映画の結末を推理するシーン。下はやはり、その奉太郎の脳内の思考過程をメタファーとして表現した映像である。

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 「マトリックス」の方は、これもかなり有名なシーンだと思うが、「マトリックス・リローデッド」でネオが「アーキテクト」と対面するシーンである。壁いっぱいにモニタが並んでいること、それぞれ別の映像が表示されていること、それが主人公の意識内容を反映していることなど、かなり共通点が多い。おそらく意識的な引用だろう。

・蛇足

 京都アニメーションの映像技術の高さ、映像へのこだわりの深さについては、いまさら私などが語るまでもないことだが、特に実写的な技術をうまくアニメに取り入れることにかけては、他者の追随を許さない。そのような例は、「けいおん!」における被写界深度の細かい設定であるとか、3DCG のさりげない利用とか、枚挙に暇がない。

 この記事で紹介したような映像も、ある意味、京アニの技術的な貪欲さを示しているとも言えるだろう。汗一つかかず軽々とやっているように見えて、実は高度な技術を必要すると思われる映像も多い。

 京アニの映像については、「愚者のエンドロール」における作品内映画の凝り具合とか、語りたいことはたくさんあるのだが、それはまたの機会に。

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