ドノヴァンの床磨き
前回のついでに、「SHERLOCK」関係の小ネタ。シーズン1の第1話。犯行現場でスコットランド・ヤードの巡査部長サリー・ドノヴァンや鑑識官アンダーソンに軽いイヤミを言われたシャーロックが、ドノヴァンとアンダーソンの不倫を指摘してやり返す場面で、こんな台詞を言っている。
I'm not implying anything. I'm sure Sally came round for a nice little chat and just happened to stay over. And I assume she scrubbed your floor, going by the state of her knees.
別に深い意味はないさ。サリーがおしゃべりに来てたまたま泊まっただけだろ。膝の状態から見て、床でも磨いてもらったのかな。
この「床磨き」の意味に気がついていない人が意外と多いようだ。
純情な私には説明しにくいので、英語のファンサイトからの回答を紹介しよう。クリックすれば回答が読める(ただし英語)。小中学生のよい子は読んじゃだめよ。
(余談)
このドラマ、「ザ・ウーマン」と「ジ・ウーマン」とか、"friends" と "a friend" (just got one)とか、職業柄どう訳せばいいかつい考えてしまう小洒落た表現が多い。DVD の字幕は「あの女」「比類なき女」、「友達はいない」「一人しか」となっていて、なかなか苦労の跡が偲ばれる訳となっている。
このへんの話、私はあまり義務教育で習った記憶がないので一応解説すると、「ジ・ウーマン」というのは、別にウーマンのWを母音と勘違いしたわけではなくて、一種の強調表現なのだ。定冠詞の意味を強調すると、スペルはそのままで発音だけ「ザ」から「ジ」に変わる。不定冠詞の a でも似た現象があって、強調すると「ア」が「エイ」に変わる。だけどこのニュアンスを日本語に訳すのはなかなか難しい。
「大いなるゲーム」の冒頭には、シャーロックが依頼人の英語の下手さにいらだって、三単現や時制の間違いを訂正しまくるなんてシーンもある。英語好きにはそういう意味でも楽しめるドラマだろう。
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