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絶対に見たい「アレキサンダー」の配役

 オリバー・ストーン監督の映画「アレキサンダー」がひかりTVで無料だったので見た。

 この映画、アメリカではかなり不評だったらしい。私から見ても、言うほど超駄作ではないと思うが、いろいろ言いたいことはある。

 特に気になるのは、アレキサンダーがどうしてもネオコンの隠喩に見えてしまうことで、そのせいで逆に底の浅い政治風刺映画みたいな印象になってしまっている。もっと一般論として英雄という存在の輝きと危うさを掘り下げた方が深みが出たのではないだろうか。

 その点で致命的なのは、アレキサンダーがどう見てもそんなにカリスマ性のある人間には見えないこと。あんなに精神的な不安定さが顔に出ているリーダーにそれほど人望があるとは思えない。これは明らかにミスキャストではないだろうか。

 ではどんなキャストならよかったのか。私なりに考えてみた。

 まずアレキサンダーだが、銀英伝のラインハルトのような激しさと繊細さを併せ持つ美形タイプを当てたい。アメリカ人は素朴な親しみやすさを好むせいか、アメリカの俳優には意外とこういうタイプが少ないのだが、数少ない例外としてキアヌ・リーブスが適任ではないか。

 そしてヘファイスティオンには、美形でありながらサイエントロジーの信者だったり難読症だったりしてどこか危険な怪しさの漂うトム・クルーズを当てる。

 アレキサンダーの妻ロクサネは、完全に私の好みだが、キーラ・ナイトレイにやって欲しい。ロクサネも気の強い女性らしいから、そんなに外してはいないだろう。あのアヒル口には何時間見ていても飽きない顔力がある。

 アレキサンダーの父フィリッポス2世を演じたヴァル・キルマーはそんなに悪くなかった。しかし粗暴さと脆さを併せ持つキャラという路線を徹底するなら、いっそゲイリー・オールドマンにしてしまうのはどうだろうか。

 アレキサンダーの母オリンピアスを演じたアンジェリーナ・ジョリーは、どっちかというと怪演に近いという声もあるが、意外とハマっていたのでそのままでもいいと思う。

 そしてストーリー上は重要なのに何故か影の薄いアリストテレスは、ジョン・マルコビッチにやってもらう。アリストテレスの知性と胡散臭さを表現するのに、これほど適した俳優はいないだろう。

 さて、実際には「アレキサンダー」には(少なくとも目立つ形では)登場しないのだが、「ヒストリエ」ファンの私としては、エウメネスを誰に演じてもらうかも考えておきたくなる。

 エウメネスのように、頭はいいのだが権力欲も名誉欲も金銭欲も希薄で何を考えてるのかよくわからない人物が似合う役者もアメリカには意外と少ない。

 最初に思いついたのは、「ショーシャンクの空に」でアンディを演じたティム・ロビンス。牢獄の中で友人にも気づかれずに一人で何十年もかけて陰謀を企むとか、いかにもエウメネスっぽいではないか。だが残念ながら年齢的に他の配役と釣り合わない。

 そこでいろいろ考えた末、「プライドと偏見」「大聖堂」のマシュー・マクファディンに白羽の矢を立てた。

  どうだろう。監督や脚本は全部そのままで、配役だけこの通りに入れ替えれば、何倍も面白い映画になること請け合いだ。もっとも、ギャラだけで制作費がふっとぶことも請け合いだが。

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