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料理の鉄人USA

 90 年代にフジテレビで放映していた「料理の鉄人」という番組にアメリカ版があることをご存知だろうか。よくあるパクリではなく、ちゃんとフジテレビからフォーマットのライセンスを受けて製作されたものである。

 最近この「料理の鉄人 USA」を、フーディーズ TV という CS 局で放映しているので、暇があると結構見てしまう。正規ライセンス番組だけあって、かなりオリジナルに忠実に作られているのだが、それでも微妙な違いがあり、そこに日米の差が現れているように見えて面白いからだ。

 最も気になったのは、料理があまり美味しそうに見えないこと。これはおそらくライティングのせいである。この番組では、料理している最中の食材をカメラが必死になって追い掛け回して撮影するのだが、日本版ではキッチンのどこで撮影してもライティングが完璧だった記憶がある。ところがアメリカ版だと、場所によって、薄暗くてよく見えなかったりするのだ。

 また、番組冒頭でテーマ食材を公開する場面も、何か雑である。日本版では、テーマ食材だけでも美味しそうに見えるようにかなり気をつかって撮影していた記憶があるが、アメリカ版はそうでもない。たとえば挽肉がテーマの回なんか、まるでスーパーの肉売場のように、プラスチックのパックに入れたラップをかけた挽肉をそのまま出したりしていた。

 さらに言えば、アメリカ版は調理器具の故障が多い。オーブンが故障して敵側のオーブンを借りるみたいなことがしょっちゅうある。これも日本版ではほとんどなかったことだと思う。

 つまり全般的に、なんとなくガサツで大雑把なのである。これが日米の技術の差か、番組にかける予算の差か、それとも文化の差かは必ずしも断定できないが。

 最近日本では、国産のドラマより海外ドラマの方が面白いという意見が多く、私も自分の見た範囲では同感なのだが、こういうバラエティ的な技術においては日本の方がまだ上回ってるのかもしれないと感じた。

 もう一つ驚いたのは、料理自体にはそれほど国による差がないということ。元が日本の番組だからかもしれないが、和食の食材や技法も当たり前のように出てくる。鉄人の一人は、日本でも和の鉄人をやったことのある森本正治なので当然だが、それ以外の鉄人や挑戦者のときにも和食の食材や技法が結構出てくる。もちろん当然ながら他の国の食材や技法も使われており、食のボーダーレス化が実感できる番組になっている。

 他にも文化差が現れていると思われる点はいくつかある。たとえば、日本版では鉄人はあまり負けなかったと思うが、アメリカ版では鉄人がよく負ける(という印象だったが、Wikipedia のデータから計算してみたら、日本版の勝率が約 7 割 5 分、アメリカ版の勝率が約 7 割で、思ったほど差はなかった)。

 それから、日本版の審査員で厳しい批判をしていたのは岸朝子ぐらいで、後はほとんど当たり障りのないコメントをしていた記憶があるが、アメリカ版の審査員は、かなり批判的なコメントが多い。まあこれは予想通りという感じだが。

 日本版の鹿賀丈史の役をやっているのは、マーク・ダカスコスという俳優。この人は鹿賀丈史の甥で武道の達人というよくわからない設定で、番組冒頭で意味なくトンボを切ったりする。お約束のパブリカ齧りと「アーレ、キュイジーヌ!」は忠実に再現しており、結構さまになっている。

 

 どうよ、この挽肉のプレゼンテーション。ガサツでしょ?

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