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「下妻物語」と「古畑任三郎」の共通点

下妻物語 スタンダード・エディション [DVD]  「下妻物語」をレンタルで観直したら、初見時に重大なことを見逃していたのに気づいた。これを書くと自分の恥を晒すことになるが、検索してみると意外と指摘している人が少ないようなので書いておく。以下ネタバレになるので、「下妻物語」を観た人だけ読んでね。

 例の「貴族の森」という店でイチゴがモモコに思い出話をするシーンがあるよね。最初のイチゴとアケミの出会いの話は実写で再現され、その後の「ヒミコ伝説」はアニメで再現される。でも、この映画は全体にマンガ的な演出なので、冒頭から順を追って観てると、これも単にギャグなんだろう、と見過ごしてしまう。

 ところが、ラストまで観ると、実はこの「ヒミコ伝説」はイチゴの作り話であることがわかる。そして振り返ってみると、実写とアニメはデタラメに混在しているわけではなく、実話部分は実写、虚構部分はアニメ、という風にちゃんと使い分けられていることがわかるのね。つまり、「ヒミコ伝説」が虚構という伏線はちゃんと張られているんだけど、ギャグによってうまく隠蔽されてるわけ。そんなこと言われなくてもわかってるって? すみません。

警部補 古畑任三郎 1st DVD-BOX  この手法は、三谷幸喜が「古畑任三郎」でやっている手法とよく似ている。古畑は倒叙物ミステリなので、古畑が真相を知るための手掛かりを、伏線として視聴者に提示しなくてはならない。でも、なんの芸もなく提示したのでは伏線がバレバレになってしまうので、うまく伏線と気づかれないように提示しなくてはならない。

 そこで三谷氏がよく使うのが、伏線をギャグで隠蔽するという手法なんだよね。手掛かりになるのは、だいたいにおいて不自然な行動なんだけど、ギャグにしてしまえば行動の不自然が見過ごされ易くなるというわけ。

 ぼくはミステリマニアではないので、他にこういう手法を多用した作品があるかどうか定かではないが、この手法を意識的に多用できるのがコメディ作家・三谷幸喜ならではの強みである、ということは言えると思う。

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