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「黄金の日々」にハマる

 偶然なのだが、「時代劇専門チャンネル」で「黄金の日々」を再放送していることに気づき、懐かしさのあまりつい録画し始めたらすっかりハマってしまった。「黄金の日々」はぼくが子供のころに放映していた大河ドラマで、最近では三谷幸喜氏も影響を受けたという発言をしているので、若い人も題名ぐらいは小耳にはさんでいるかもしれないが、ぼくも大好きだった。

黄金の日日 完全版 第弐集 第29回~第51回収録 [DVD] ちなみに、ぼくが大河ドラマをマジメに観ていたのは、「国盗り物語」から「おんな太閤記」ぐらいまでで、後は三谷幸喜作品ということで例外的に「新撰組!」を観ただけ。だから、今となっては大河ドラマファンを名乗るのもおこがましいのだが、この頃は本当にいい作品が多かったと思う。中でも個人的に好きなのは、 

の 3 作。並べてみると、どれも主人公が権力者でない作品ばかりで、ぼくがいかに無意識的な深層心理で権力者を嫌っているかがよくわかる。

 子供の頃好きだったものというのは、大人になって見直すと幻滅することも多いのだが、「黄金の日々」は今観ても鑑賞に堪える作品だと思った。セットなんかは現代人の目で見るとチャチな感じもするが、逆に俳優の演技なんかは当時の方がよっぽどうまかったのではないか。もちろん、多少型にはまった感じもあるが、近年のようにいかにも素人臭い演技をする俳優はまったくいないので、安心して観れる。

 内容も当時としては斬新なところがいろいろあったと思う。まず、豊臣秀吉が最終的に悪役として描かれるというのが斬新。さらに、それを二枚目の緒形拳が演じたのも斬新だった。

 今でも覚えているのは、石川五右衛門が秀吉を暗殺しようとするシーン。五右衛門は秀吉の寝所のふすま1枚隔てたあたりまで忍び寄るが、あと一歩のところで捕まってしまう。物音に気付いて目を覚ました秀吉が警備の者に尋ねると、「ネズミでございます」。それを聞いた秀吉は、「なんだネズミか」とつぶやいただけで、何事もなかったかのように目を閉じる。これは、若い頃の庶民性を完全に失った権力者秀吉の姿を見事に描いたシーンで、子供心にも強烈に焼きついている。

 考えてみると、脚本の市川森一氏は、ウルトラシリーズの頃から人間の二面性や裏切りをテーマにするのが好きで、「ひとりぼっちの地球人」も「盗まれたウルトラアイ」も「悪魔と天使の間に」もすべて二面性や裏切りがテーマになっている。見直してみると、この作品の秀吉にも同じテーマが表現されていることがわかって微笑ましい。

 また、子供の頃にはよく意味がわからなかったけど、今になってわかるところもある。濡れ場が障子に映る影で表現されていたりするのは、当時はたぶん意味わかってなかったと思うし、染五郎と栗原小巻の微妙な関係とかも、当時はたぶん理解できてなかっただろう。逆に、林隆三演じる今井兼久なんかは、当時はただのドラ息子としか思ってなかったが、今観ると、あれだけ親の今井宗久に無能扱いされてばひねくれもするよなあ、と同情したりもした。

  大人のヒネた目で見ると、さすがにツッコミ処もいくつかある。たとえば、信長狙撃に失敗した杉谷善住坊に対する今井宗久の対応。助佐が善住坊をかくまって琉球に逃がそうとしていることを知った宗久は、「舟に乗るまでは泳がしておいて、舟の上で始末しろ」と五右衛門に命ずる。でもよく考えると、わざわざ船の上で始末するぐらいなら、日本にいるうちにさっさと始末した方が安全では?

 これは多分、助佐・善住坊・五右衛門の 3 人がそろって難破してルソンにたどり着く、というプロットのアイデアが先にあって、そこから逆算して作られたストーリーなのだろう。ルソンに行くのが助佐と善住坊だけでよいなら、失踪した善住坊をわざわざ五右衛門に発見させる必要はない。善住坊暗殺というのは、気まぐれな五右衛門を 2 人と同じ舟に乗せるための口実だったのだろう。

 助佐と善住坊は、最初に漂着したバタン島から、小さな竹の筏のような舟でルソン島まで渡るのだが、この設定も今考えると無理があると思う。というのは、地図で調べると、バタン島とルソン島のアゴーという村までは、直線距離で 400km ぐらい離れているからだ。これは鹿児島から奄美大島ぐらいの距離である。しかもその筏には帆もなく動力は櫂だけ。時速 5km としても 80 時間かかる距離なのだが、ドラマの中では 1 昼夜ぐらいで渡った描写になっている。


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 これは多分、ルソン島と琉球の間にあって無人島でない島が他にあまりなかったとか、逃避行なので小さい舟でみずぼらしい感じを出したかったとか、どうせ日本人はバタン島の正確な位置なんて知らないだろうとタカをくくっていたとか、そんな理由だと思う。

 そういう瑕瑾も今となってはすべて微笑ましい。若い子に観ろとは言わないけど、ぼくと同じような経験を持つ同世代の方々は、ヒマがあったら観てみるとよいかも。

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