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今年よく聴いたアルバム

 なんか、年末のブログにはこういう記事をのっけるのが定番なようなので。なお、順位は Last.fm の視聴回数データから集計したものなので、必ずしも、今年発売されたアルバムとは限らないので注意。

1.PianaEphemeral

Ephemeral 最近とみに流行の兆しの見られる、エレクトロニカをベースにした唄物ポップス。この手の作品としては、Bjork Vespertine が嚆矢であり、なおかつ完成度も高いのであるが、このアルバムもそれにひけをとらない完成度だと思う。Piana というアーテストはこのアルバムで初めて知ったのだが、まだ 30 歳ぐらいの可愛らしい女性で、完成度の高さとのギャップにちょっと驚いた。みなさんも侮らずに聴いてみてほしい。この人の作品の場合、日本的なある種の「カワイイ」感じが、海外のアーティストにはあまり見られない個性になっている。


2.Pupafloating pupa

floating pupa  これもエレクトロニカをベースにした唄物ポップスだが、大御所の高橋ユキヒロを初めとし、高野寛、原田知世といった超豪華メンバーのバンドによるもの。さすがに大ベテランだけあって、派手さはないものの、聴けば聴くほど味がでるようなスルメのような仕上がりになっている。コードワークなどもロマンチックであり、ぼんやり聴いているとエレクトロニカであることを忘れてしまうほど。 エレクトロニカ・ポップスの一つの到達点を示した作品。


3.Yellow Magic Orchestra「LONDONYMO-YELLOW MAGIC ORCHESTRA LIVE IN LONDON 15/6 08-

LONDONYMO-YELLOW MAGIC ORCHESTRA LIVE IN LONDON 15/6 08- 言わずと知れた YMO が、Massive Attack に招待されて行ったロンドンでのライブ公演の模様を収録。収録曲は、YMO、HASYMOSketch Show、3 人のソロアルバムなどからとったもので、新曲はないのだが、すべてエレクトロニカ的にリアレンジされている。全体に肩から力の抜けた感じなのに、悪い意味で枯れた感じではまったくなく、依然として現代的な感性を感じさせるところが非常によい。 やはり、世界的に見ても突出した個性をもったバンドであると再認識。


4.Ryoji IkedaDataplex

  ほとんどパルス音だけから構成された超ミニマルなエレクトロニカ。 この人は音の使い方が極めてストイックで、Raster Norton の Alva Noto などに比べてもさらにミニマルなのだが、それが逆に表現に力を与えているところがすごい。


5.AutisticiVolume Objects

 
  こちらは、サンプリング音やノイズの多いアンビエント寄りのエレクトロニカ。西洋人はこういう構造の見えにくい茫漠とした音楽は苦手だったはずなのだが、最近は Fennesz を初めとしてうまい人がどんどん増えてきた。この作品なんか、コーネリアスが作ったと言われても納得してしまうぐらいある種日本人的な感性が感じられる。

6.Anton Webern「Webern: Passacaglia, Symphony, Five Pieces

  新ウィーン楽派のウェーベルンの代表作。 ウェーベルンは音響的には大好きなのだが、いかんせん短い曲が多いので、聴いていてもなかなか満腹感が出てこない。その点、このバッサカリアは 10 分ぐらいあるのでいい。

7.CarolineMurmurs


8.SawakoMadoromi

Madoromi  この人のスタイルもアンビエント寄りのエレクトロニカだが、音の選び方に、あまり他のアーティストにはない独特の個性がある。エレクトロニカというのは、どうしても部屋に引き篭もって作ってるような暗い感じになりがちなのだが、この人の音には、陽光の下で日向ぼっこしているときのような大らかなのどかさがある。そこがいい。この人もむしろ海外で高評価されているらしい。

9.moskitooDrape


 この人も実は、日本人の女性でアンビエント寄りのエレクトロニカを作っている人。エレクトロニカは日本人女性に向いているのであろうか?


10.細野晴臣細野晴臣 アーカイヴス vol.1

細野晴臣 アーカイヴス vol.1  大御所細野晴臣のお蔵だし作品集。お蔵出しということで、質の方はどうかなと思うとさにあらず。もちろん、ソロアルバムのようなコンセプト的な統一感はないが、作品の質はどれもきわめて高いことに驚かされる。細野さんが常にていねいな仕事をされていることがよくわかるアルバム。


 こうしてみると、今年はエレクトロニカをベースにしたポップスを中心に聴いた年だったらしい。数年前は、こんなものを好んで聴く奴はちょっとビョーキなんじゃないだろうかと思っていた(確かブログにも書いた)のだが、すっかりポップスの一手法として定着しつつあるようだ。

 あ、それから、Amazon のアフィリエイトリンクをクリックしてくださった方々、ありがとうございます。なぜかアダルト DVD を買われた方もいらっしゃるようですが、全然かまいません。収入はすべて、私の個人的な欲望のために使わせていただきます。

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日米開戦と東条英機

 TBS のドラマ「あの戦争は何だったのか 日米開戦と東条英機」を観る。太平洋戦争物のドラマには食傷気味だったので、それほど期待せずに一応録画しただけだったのだが、実際に見てみたら、少なくともぼくは今まであまり見たことがない趣向でなかなか面白かった。

 要するに、開戦までの意思決定の過程だけに焦点を当てたところがミソ。扱われる時期は、昭和 16 年後半に近衛内閣がつぶれるところから 12 月 8 日の真珠湾開戦までの数ヶ月だけ。しかも、その大半が大本営政府連絡会議の会議のシーンで、これを延々とやる。それを見ているだけで、当時の意思決定システムの異様さが伝わってくるという仕掛けだ。

 ただ、ここまでやるなら、いっそ筒井康隆の「十二人の浮かれる男」みたいに喜劇仕立てにしてしまった方がよかったのではないかとも思う。そんなことをすると、また不謹慎だとかなんとか言われるかもしれないが。

 でも正直言って、現代人の目から見れば笑ってしまうほど馬鹿馬鹿しい意思決定システムだと思うし、そのせいで 300 万人もの人間が死んだのだから、これはもう文字通り笑うしかない事態ではないか。それを変にドラマチックに感動的にしてしまうのは、かえって物事の本質を見失わせるところがあると思うのだ。

(原作は保阪正康氏で、この人の本はぼくも何冊か読んでいるが、このドラマの原作は未見なので、本とドラマがどの程度一致しているのかはよくわからない。ただし、この人はサヨクではないので注意(^^)。ビートたけしが東条英機を演じるのが売りだったが、それがハマっていたかは微妙。おそらく、多くの人が北野映画に出てくるような暴力的な東条を期待したと思うのだが、このドラマの東条はむしろ小心で真面目なだけがとりえという設定なので、その意表をつく効果はあった。ただ、ぼくらはみんな、現実のビートたけしが小心からほど遠いことを知っているので、多少無理があったような気もする(^^)。会議中に手帳を弄繰り回したりしてそれなりに小心さを演じてはいたが。結婚してしまった「結婚できない男」はちょっと当時の日本人をやるには背が高すぎると思った(^^)。「サラリーマン金太郎」もちょっとかっこよすぎるところが違和感あり。)

 それにしても、クリスマスイブにこんな番組をやる TBS もアレだし、それを見てる自分もちょっとアレだと思いました。はい(^^)。

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