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KAOSSILATOR

 コルグの新製品 KAOSSILATOR。「いままでなかった手のひらサイズの超コンパクト・サイズ・シンセサイザー」とか言ってるけど、この手のアナログ入力デバイスなんて昔からあったじゃん。シンセには何十年も前からホイールやジョイスティックとか付いていて、ビブラートやピッチベンドなんかに使えたし、テルミンなんて雑誌の付録にまでなっちゃうような時代に、タッチパネルで演奏ができるぐらいで、何を大騒ぎしてるのかな~、と最初に目にしたときは思っていた(^^)。

 ところが、YouTube にアップロードされていたデモを見て、思いっきり認識を改めた。

 何よりもやられたっ!と思ったのは、スケールが設定できること。見ればわかるように、そのおかげで、たいして音楽の知識がない人でも、適当に指を左右に動かしているだけで、それっぽいソロのアドリブができてしまうのである。

 確かに、これはデジタルのタッチパネルでしかできない機能だ。コルグさん、ごめんなさい。私があさはかでした<(_ _)>。

 昔は、即興的なアドリブというのは、高度な音楽センスを必要とする技術だったのだが、ジャズ畑からバークリーメソッドという方法論がでてきて、コードに合わせて決まるアヴェイラブル・ノート・スケールというスケールを上がったり下がったりしていれば、誰でもそれっぽいアドリブができるようになったという歴史がある。

 もっとも、誰でもできると言っても、この理論はそれなりに複雑なので、使いこなすためには、スケールを構成する音程を覚え、スケールとコードの関係を覚え、それを瞬時に思い出して弾く練習をしという具合に、かなり「お勉強」をしなくてはならない。だからこそ、バークリー帰りのジャズ・ミュージシャンがもてはやされたりしたわけだが、一方で、あまりにもバークリーの権威が強くなりすぎて、ジャズというと誰がやっても同じようなアドリブになってしまうという弊害も出た。

 だが、こういう製品があれば、そういうスケールを憶えて弾けるようになる必要すらなくなるわけだ。もっとも、コードとスケールの関係だけは憶える必要がありそうだが、伴奏を MIDI で同期しているような場合だったら、MIDI 信号で自動的にプログラム・チェンジしてしまえばよいのだから、それすら憶える必要がなくなるだろう。

(でも、写真で見ると、MIDI 端子が見当たらないな~(^^)。MIDI でのスケールやキーの変更は絶対できた方がいいと思うけど、どうなのかな。)

 ぼくなんかは、理論を「お勉強」するだけで創造性がなくてもできるようなことは、どんどん機械にやらせてしまえばいいと思っているので、こういう製品は大歓迎である。もちろん、こんなものでそれほど高級な音楽ができるとも思えないが、こういう製品のおかげで、素人でもそれっぽいアドリブができるようになれば、今まで単に理論を憶えて演奏していただけの音楽家は、いやでも理論だけではできない創造性を発揮せざるおえなくなるであろう。それは、結果的に、音楽全体のレベル向上につながると思うのだ。

 それに、高級な音楽ができないと言っても、ダンス・パフォーマンスなんかと組み合わせれば、それなりに面白いことができそうなきはする。ただ、この形だと、動きながらでは演奏しにくいだろうから、Wii のリモコンなんかで演奏できればもっと使い勝手がよくなるのではないだろうか。っていうか、これってそのまま Wii のソフトにはできないのかな? Wii のスペックをよく知らないのでわからないけど(^^)。

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