« 「パール・ハーバー」を観てしまった | トップページ | Town of Evening Calm, Country of Cherry Blossoms »

アメリカのドラマが面白いのか、アメリカが面白いのか

セックス・アンド・ザ・シティ シーズン 1  前から観たいと思っていた「Sex and the City」、オンデマンドTVにシーズン6まで揃っていたので、とりあえずシーズン1の全12話を一気に観てしまう(もちろん、仕事をしながら(^^))。期待に違わぬ面白さであった。

 狙っている線は、意外と「アリーmyラブ」なんかと近いと思う。ただ、アリーの場合には、フェミニストでありながらロマンチストでもあって、この両者の葛藤に振り回されるという感じなのだが、「Sex and the City」の登場人物の場合には、もう男女平等は当たり前の前提で、その上で女性としての人生も欲張って楽しもうと思っているという感じ。この作品では、そういう「進んだ女性(および男性)」の引き起こす騒動をコミカルに描いている。また、「アリーmyラブ」の場合、基本はドタバタながらも結末は浪花節的だったりするのだが、「Sex and the City」の狙っているのはもっとおサレっぽくシニカルなユーモアである。音楽も、「アリーmyラブ」ではアル・グリーンとかR&Bだったりするのに対し、「Sex and the City」はジャズである。

アリーmy Love ファースト・シーズン DVD-BOX  ぼくはこの手のアメリカのドラマとか「サウスパーク」とか大好きなのだが、ときどき、根本的な疑問を抱くことがある。それは、ぼくが面白がっているのは、アメリカのドラマなのか、それとも、アメリカの文化そのものなのかということだ(^^)。

 「サウスパーク」の面白さなんて、本当は、アメリカ文化についての知識が相当ないとわからないはずだ。かく言うぼくも、十年前だったらほとんど何が面白いのかわからなかったと思う。今も、一回観ただけで完全にわかるとはとても言えなくて、せいぜい2/3ぐらいしかわかってないだろう。そのようなぼくが「サウスパーク」のような作品を観る場合、頭の中である種の文化翻訳を行っている。このギャグは、アメリカ文化のこういう側面を反映しているんだろうなあ、と瞬間的に想像した上で、そうか、アメリカではこれがギャグになるくらいに、こういう文化が当たり前になっているんだなあ、と勝手に逆算して笑うという感じなのである。

 「Sex and the City」にしても、女性が性的に過激な台詞をバンバン言うのがギャグになっているが、あれも多分、実際ニューヨークにはそれに近い女性が結構いるんだろうなあ、ということを勝手に想像して笑っているわけである。だから、いったいぼくが笑っているのは、ドラマの作り手が意図的に作ったフィクションなのか、その背景にあるアメリカの文化なのか、なにやら自分でもあやふやな感じになってきてしまうのだ(^^)。

サウスパーク 無修正映画版  面白いのは、この作品はそのような過激なセックスネタ満載なのに、台詞には f**k や s**t などのいわゆる四文字語がほとんど出てこないということである。これはもちろん、媒体がテレビだからに違いなくて、映画だったら、これより遥かに穏健な作品でも四文字語出まくりだったりするのはご存知の通り。そういう状況を痛烈に皮肉ったのが、これまた「サウスパーク」の劇場版である「サウスパーク/無修正映画版」 であろう。これもオンデマンドTVで観たのだが、まさしく抱腹絶倒の面白さである。

(たとえば、検索してみればわかるが、あのいかにも荒唐無稽なVチップというのは、実は現実にも存在する。ただし、埋め込まれるのは脳ではなくテレビの方で、本来はコンテンツ規制のための装置である。)

(追記:「Sex and the City」のシーズン2を観始めたのですが、シーズン1よりさらに下品になっていて、F-word や S-word も結構使われてました(^^)。ケーブルだとこのぐらいはOKなのかな(^^)?)

 つまり、アメリカ文化にはかなりムチャクチャなところがあるのも事実なのだが、そのムチャクチャさを自覚してシニカルに批評する目もまた、アメリカの中に存在しているというところが、アメリカ文化の大きな特徴だと思うのだ。ひょっとすると、アメリカ人の多くは、そういうムチャクチャなところがまさにアメリカの個性であり、自分たちは自覚的にそういう存在であり続けているのだと思っているのではないか(^^)。

 ここから突然暴論モードになる(^^)。最近また反米が流行っているようだが、そういう反発の中には、どうもいまだに西欧コンプレックスの裏返しみたいなところが残っているような気がしてやりきれない。それよりも、アメリカ人というのは、他の国の人がやりたがらないような一種の人体実験を奇特にも率先してやっている人たちだと考えたらどうだろうか(^^)。そうすれば、日本人も、自分たちはあえて熟慮の末、危険なことには手を出さずに、おいしいところだけ持っていっているのだ、というプライドを持てるのではないか(^^)。もちろん、それを露骨に態度に出したら向こうだって怒るだろうし、アメリカ人がある程度の危険手当とか先行者利益とかリスク・プレミアムとかを手にすることは認めなければならないし、国際政治におけるアメリカの覇権主義の問題なんかはそれどころではすまないだろうけれど(^^)。

 そうやってアメリカ人を余裕を持って冷静に観察する態度を身につけるためにも、とりあえず、「Sex and the City」はお勧めです(^^)。

|

« 「パール・ハーバー」を観てしまった | トップページ | Town of Evening Calm, Country of Cherry Blossoms »

テレビ」カテゴリの記事

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

国際関係」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/67762/15903228

この記事へのトラックバック一覧です: アメリカのドラマが面白いのか、アメリカが面白いのか:

« 「パール・ハーバー」を観てしまった | トップページ | Town of Evening Calm, Country of Cherry Blossoms »