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メディア論二種

 偶然だか必然だかよくわからないが、興味深いメディア論を続けて見た。

 一つは、丸激トーク・オン・デマンドの「新聞ビジネスはすでに破綻している」。元毎日新聞社常務の河内孝氏による、新聞社の歴史やビジネス・モデルの解説が滅法面白い。新聞社は、販売では全然儲かってなくて、儲けはほどんど広告料だとか、眼からウロコの話をたんたんとしてるのがいとおかし。

 もう一つは、週刊ダイヤモンド 6 月 2 日号の「テレビ局崩壊」。これは、一部コンビニでも売ってますんで、興味のある方はぜひ読みましょう。「田中角栄が礎を築き上げた「民放55年体制」の功罪」では、上記の河内孝氏の本にも言及してます。

 個人的には、田原総一朗さんのコメントが、なかなかシブくてよかった。一ページだけだけど。

 そもそも情報バラエティ番組で、毎週、視聴者が知らない情報を提供できていること自体がおかしい。新しい事実を、そんなにたくさん発見できるわけがないだろう。

 テレビ局が社員を、アシスタントを経験させずにプロデューサーにしていることも問題。アシスタント時代にさまざまな苦労をしていれば、捏造は見抜けたはず。新事実の発見がいかに難しいか、身をもってわかっているからだ。

  ただ、私がやっている「サンデープロジェクト」のスタッフには、「七%以上はとれ、しかし10%以上はとるな」と言っている。それ以上の視聴率を求めると、演出過多になって番組の質が落ち、視聴者からの信頼を失う。

 田原さんを、単なるキレ芸の強引司会者だと思っている人もいると思うが、けっこう考えてるんだよね (^^)。あれはあれで一芸を極めた人だよなあ、とぼくは思ってます (^^)。

 政治家さんたちもきっと、こっそり「田原対策マニュアル」とか作ってまわし読みしてるんじゃないかしら。「田原にみょーにほめられてもその気になるな」「田原がキレたら気をつけろ」とかね (^^)。

 そういや、なんとか還元水の人、自殺しちゃいましたね。

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DVD を見ながらおかたづけ

 DVD を横目で見ながら部屋の掃除。「エリン・ブロコビッチ」の日本語字幕を見ていたら、"poor diet" を「無理なダイエット」と訳しているのを発見。普通これは単に「不健康な食生活」という意味じゃないの?  今まであまり字幕見てなかったけど、チェックしたらいろいろ出てきそうだなあ (^^)。

 「エイリアン2」は、最初に見たときには、この軍隊いくらなんでもバカ過ぎだろう、と思ったものだが、イラク戦争後の今見ると、けっこうリアリティあるな、とか思ってしまう (^^)。困ったものだ。

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横文字の多用について

 せっかく地デジの工事の人が来てくれたのに、部屋の片づけが間に合わなくて、一日延期してもらった不届き者の studio-rain です (^^)。

 歳のせいかもしれないが、最近のネット上の議論を見ると、そんなの昔から言われていることじゃん、みたいに感じることが多い。しかも、昔の議論よりも少しでも進んでいればまだよいが、そこからさらに一歩後退したところから議論が始まっていたりするのでイライラする。

 もっとも、自分の若い頃を考えても、昔の哲学者がさんざやっていたような議論を何倍にも劣化させたような議論を、さも深遠で本質的な議論であるかのように思い込んで友達同士でやっていたりしたのだから、人のことは言えないのだろう (^^)。

 ただ、今の時代には、そういう友達同士レベルの議論までがネット上に公表されてしまったりするから、昔の自分のことを忘れてしまったおじさんたちが勝手にそれを覗き見て、「今の若者ってひょっとして○○なのでは?」みたいに思ったりするというすれ違いが起こりやすい、ということは言えるのかもしれない (^^)。

 この「横文字多用はコミュニケーション下手? 「ひろゆき」ブログに賛同者多数」という記事もそうで、ぼくのようなおじさんからすると、今更という感じのする議論だし、この四條さんという方の言っているように、そんなことは一律に言える話じゃないという結論につきるのであるが、いくつか思いついた論点を補足しておきたい。

 一つは、横文字の多用というのは、必ずしも自慢したくてしているとは限らない、ということ。これは、ぼく自身が洋書を読むようになってはじめて気づいたことだが、洋書から直接専門知識を吸収する機会が増えると、いちいち専門用語の日本語訳を調べるということが、だんだん面倒になってくるのである。また、新しい述語には、定訳の定まっていないものも多く、そういう述語にわかり易い日本語訳を与えるというのも、それほど簡単なことではない。

 もちろん、ちゃんと日本語訳を調べて(あるいは考えて)書いた方がわかりやすいのは事実なので、横文字の残る文章を書く人は不親切だとは言えるが、必ずしもそこに自慢するという意図があるとは限らないのである (^^)。

 ぼくも昔は、横文字を多用する学者の文章とかを読むと、「なんで日本語で書かねえんだよ。英語を知ってることを自慢しやがって。けっ」とか思っていたクチなのであるが (^^)、今では、この「自慢しやがって」というのは偏見である可能性もあると思っている。そのへん、洋書をあまり読まない人は気がつきにくいのではないかと思う。

 もう一つは、横文字に対する意識過剰という問題は、聞く側にもあるのではないか、ということ。これは、ぼくの身の回り数メートルの経験論にすぎないので、どこまで一般化できるかわからないが、ぼく個人はむしろ、最近の子は、自分が知らない言葉を聞かされても、さも知っているかのようにフンフンとうなずいて聞く子が多くて困るというイメージを持っている。

  ばく自身は、知識の多寡に重きをおく人間ではまったくないので、ぼくが横文字を使っているときには、単に専門用語を知っている同士なら専門用語を使ったほうが効率的に伝達ができるからか、あるいは、単により適切な言い回しを思いつかないからか、あるいは、専門用語を無意味に多用する人間に対するイヤミとしてわざと使っているか (^^)、ぐらいのことが多い。

 知っていることを自慢したくて使うということもないではないが、それはむしろ、知っている人間同士が「おお同士! あなたもあの本読みましたね?」みたいに共感し合うことが目的なのであって、知らない人間を馬鹿にしたいということではあまりない。

 だから、聞いててわからない言葉があれば、素直にそういってくれれば、わかりやすく言い直したり説明したりする気は人並み以上にあるつもりなのである。そういう相手に対しても、わからなくても質問しないというのはなぜなのか。この場合、横文字を知ってるとか知らないとかいうことに、過剰な意識を持ってるのは、むしろ聞いている側の人間ではないのか。

 もちろん、先輩同士のミーティングに一人だけ参加している新人とかだったら、進行を妨げないために、質問を控えるという配慮をするのもわかる。でも、ぼく一人が講師役で、若い人数人に対して何かを教える、というような場でもそうなのである。これはおかしいのではないか?

 話す側が相手の知識に合わせるという努力も大事だけれども、これだけ世代ギャップの大きい時代に、相手が何を知っていて何を知らないかを完全に予測することなど不可能である。ぼくらの世代から見ると、いまの若い子は、ある面では驚くほど知識があり、またある面では驚くほど知識がないと感じる。そのパターンも人それぞれで予測がつかない。

 上の話とはまったく逆だが、若者に対して何かを一生懸命説明したら、そのときはフンフンと感心して聞いていたのに、後で聞いたら、そんなのは全部最初から知ってました、みたいに言われてズッコケたこともある (^^)。こっちからすると、わかってんならそう言えよ、そうすれば、もっとレベルの高い話をしたのに、と思うのであるが、若者的思考だと、せっかくこっちが一生懸命しゃべっているのだから、知っていても知らないフリをして感心して聞いてあげるのが気配りだ、ということになるらしい。ぼく的には、なんかずれた気配りだとしか思えないのだが (^^)。

 言うまでもないことだが、コミュニケーションというのは共同作業であり、報酬をもらって話をする教師や塾の講師とかならともかく、同僚同士の話とかだったら、聞く側だって少しは努力した方がいいのではないだろうか。その方が、結局は全体のコストの節約になるのだから。

 実は、ぼくの本業の翻訳論においても、カタカナ言葉をどう使うかというのは大きなテーマの一つなのであるが、ここでも、必ずしも使わなければ使わないほどいい、とは言えないのである。

 一例を挙げれば、マーケティング系の文章がある。広告用のリーフレットなどの場合、原文自体にバズワードを多用してあって、バズワードで眼晦ましをかけようという意図がみえみえの文章がある。異論もあると思うが、ぼくは、このような文章の場合、カタカナ言葉を多用してなんか新しそうに見せるという翻訳こそが、原文の意図を正しく反映した翻訳だと思っている。

 だから、ぼくがそういう文章を訳すときには、必要以上にカタカナ言葉を多用するようにしている。もっとも、やっていてなんかむなしくなるので、ぼく個人の嗜好からすれば、そういう仕事はあまり好きではない (^^)。しかし、だからと言って、そういう文章をカタカナ言葉を使わずに意訳するというのは、職業倫理として正しいとは思えないので、我慢して軽薄な広告文を意図的に真似て訳すようにしている。

 ぼくは、弁護士にとって、たとえどんなに共感しがたい凶悪犯でも、全力で弁護するのが職業倫理であるように、翻訳者も、どんなに自分の思想信条に合わない文章であっても、著者の意図を全力で汲み取ってそれを反映して訳すのが職業倫理だと思っている。文章が正しいか間違っているかを判断するのは、翻訳者ではなく、読者の役目なのである。もっとも、出版翻訳で訳者も印税をとっている場合には、ちょっと事情が違うような気もするが。

 ちなみに、SF 翻訳の大家であった故矢野徹氏は、「悪文は悪文に訳すべきである」と言っていた。ぼくも今になってその意味がよくわかる気がする。

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ユニテック、用語集に載る(^^)

 このブログのログをチェックしてて発見したんだけど、ぼくも何度か書いたユニテックという翻訳会社が、ついにアクトワードさんの用語集にまで載ってしまったようです (^^)。

 記述内容はだいたいあってますけど (^^)、所在地は板橋区じゃなくて世田谷区だったのでは(少なくとも登記上はそうなってる)? あと、「社長野口と社員山内が結託して」と書いちゃってますけど、これは向こうの公式見解とは違っているような (^^)。いや、その疑いは濃厚だとぼくも思ってますけど (^^)。

 最近また変な情報をいろいろ入手してるんだよね~。正直もうこれ以上あいつらに時間とられたくないんだけどさ~、でも、まだまだ被害に会ってる人いっぱいいるみたいなんだよね~ (^^)。どうしようかな~。

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エスカレートするナイジェリア詐欺

 どんどんエスカレートするナイジェリア詐欺、ついに、電子メールではなくファックスでこんなものまで送りつけてくるようになった (^^)。

Nigeria1thum.JPGNigeria2thum.JPGNigeria3thum.JPG

(クリックすると拡大表示)

 なんかもっともらしい印章まで押してありますね (^^)。ナイジェリア詐欺について知らなくて、最初からこれだったらひっかかってしまったかも (^^)。

 二番目のなんかすごくて、これによると、ぼくはなんかテロ組織の資金にからむ重大な国際犯罪に関与してるんだそーで、ぼくもずいぶん偉くなったものです (^^)。インターポールやアメリカ政府に通報されたくなかったら、とっとと連絡よこせとのたまっておりますが、もう二ヶ月近くほったらかしです (^^)。もし、テロとの闘いで逮捕されてしまったときには、読者のみなさま、後のことをよろしくお願いします (^^)。幸い、家族も友人もみな元気でやっておりますので、ぼくのことは、国際関係の矛盾と闘って倒れたとだけ伝えていただければ (^^)。墓碑銘は、「世界の人がひねくれないように、ボクが最後のひねくれ屋」でいいです。ただし、コトリンゴさんに引用許可とってください。。。(^^)

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みのもんたにするぐらいなら、太田光にしなさい!

 ニュース 23 のキャスター候補としてみのもんたが挙がっているという話を聞いて、心底ウンザリしてしまった。まあ、筑紫氏がやめてもいないうちからこんな話をするのも、人間としてどうかと思っていたのだが、すでに話題になってしまっているならこの際言ってしまおう。

 みのもんたにするぐらいなら、太田光にしなさい。どっちにしろいい加減なことしか言えないんだったら、自分がいい加減なことを言っているという自覚がちゃんとあって、それをギャグにして笑いがとれる太田光のほうがはるかにましです。

 もちろん、太田光がキャスターでは普通のニュース・ショーにはなりえないので、TBS は覚悟を決めて、日本の Daily Show を目指すのです。ちゃんと作家さんとかも集めて。Daily Show はバカにしないでちゃんと研究しといたほうがいいぞ。なぜあれが受けるのかが理解できなければ、新しい時代のニュース番組などつくれっこないと思うぞ。

 だいたい、護憲派最大のスターである太田光を、日テレやフジや Will みたいな保守メディアにばっかりとられているテレ朝や TBS は何をやっているのか。そのくせ細木みたいな半分○○○人間を持ち上げて。そんなことしかできないんだったらとっとと三木谷氏にとられてしまえ!

 いっそ、筑紫さんが自分から太田光に禅譲してくれないかしら (^^)。そしたら、太田さんも久世さんのときみたいに感激して引き受けるんじゃないかしら (^^)。

 でも、なんだかんだ言って、筑紫さんが見れないと、それはそれで物足りないんだよね (^^)。タモリ倶楽部とかといっしょで、あのグダグダのりとかカミカミしゃべりとかを聞いてると、なんかほっとするという効用は確かにあるのだ (^^)。だからまあ、とりあえずは復帰してほしいんだけどさ。

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レコーディング用語事典

レコーディング用語事典―Sound & recording magazine presents 仕事の資料として「レコーディング用語事典―Sound & recording magazine presents」 というのを買ったが、仕事柄この手の用語集を大量に所有しているぼくの眼から見てもなかなかよい本である。

 まず、職業柄最も特筆したいのは、英文索引がついてること。日本の用語事典類には、これがついていないものが意外と多い。店頭でなら立ち読みできるから買う前に確認できるが、通販だとわからないので、一か八か買ってみてがっかりすること多し。

 また、「ハンディ版」と書いてあるように、本のサイズは小さいのに、活字が小さくて意外と収録語数が多い。概算で 1000 語ぐらいは載ってるのではないだろうか。サイズは、日本の新書よりは微妙に大きく、オライリーの「Poket Reference」というシリーズよりは少しだけ小さいぐらいなので、本棚でも場所をとらない。

 最後に、定価が安い。なんと 800 円。ぼくは、これの何倍もの値段で、これの何倍も内容の薄い本をたくさん買った経験があるので、これは特筆しておきたい。

 ちなみに、「サウンド&レコーディングマガジン」というのは、ぼくが学生だったうん十年前に毎月のように買っていた雑誌の一つ。そのころは DTM がやりたくてしかたがなかったのだが、機材が高くてロクなシステムが組めなかった。今は逆に、機材は買えるようになったが、買った機材をいじるヒマがない(^^)。 人生とはままならないものだ(^^)。

サラウンド入門 - その歴史、鑑賞方法から制作までサラウンドのすべて [Nowbooks4]  だから、この本もきっと、そういうびんぼーな音楽好きのために意識的に安く価格設定してあるんじゃないかと思う(^^)。がんばれ、リットーミュージック!

  これと一緒に買ったのが「サラウンド入門」。ドルビーとか DTS とか 5.1ch とか 7.1ch とかややこしくなってきた「サラウンド」について、どんなバカでもわかるんじゃないかと思うぐらい丁寧に書いてあってなかなかよい(^^)。ただ、唯一の欠点は、上記の本とは逆に、索引がついてないこと。いまどき DTP だったら索引つけるぐらい簡単なんだから、索引ぐらいつけようよ。それだけで使い勝手は全然違うんだからさ。

 わ~ら~って~ご~ら~んよ~、あ~る~いて~ご~ら~んよ~、み~ぎ~から、ひ~だりから~、さ~そ~われ~るさら~うんど~。

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日清Chin

 コンビニに行ったら、電子レンジで調理できる「日清Chin ソース焼そば」というのを山積みにして売っていたので、物は試しと早速購入して食べてみた。その感想。

 まず、味については、生麺なのはわかるが、

  • ソースが甘辛い
  • 食感がベタベタしている
  • 脂っこい

という感じで、正直ペヤングの方がうまいと思った(^^)。まあ、個人的に揚げ麺が好きだということもありますが。

 調理する手間ついても、かやくやソースの袋を開封して振りかけるという作業はカップ焼きそばと同じ。調理時間も普通の家庭用の500Wの電子レンジだと3分ぐらいかかるので、これもカップ焼きそばと同じ。カップ焼きそばと比べて優れているのは、お湯を沸かすのと3分たってからお湯を捨てる作業ぐらいだけど、うちにあるティファールの電気ケトルを使えば、お湯は1分ぐらいで沸くのでほとんど大差はない。

 というわけで、少なくともぼくは、この商品を今後あまり買わないだろう(^^)。一生懸命開発された方々には申し訳ないが。

 どうせ電子レンジを使うのなら、味がすごくいいとか、栄養が豊富だとか、何かもうちょっと取り柄がないとね。。。(^^)

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ABC がエタノール懐疑論を放送

 ABC の「20/20」という番組で、エタノール懐疑論を放送していたらしい。その内容が、ABC のウェブサイトにまとめられていたので、和訳して紹介しよう。


「トウモロコシの神」に子供たちを捧げよ

エタノールはそれほどの奇跡ではないかもしれない

2007年5月2日

ジョン・ストッセル、アンドリュー・G・サリヴァン

ガソリン価格は、需要の大きい夏場が近づくにつれて急上昇しており、一部のガソリンスタンドでは1ガロン当たり4ドルに達するだろうと、ブルームバーグのニュースでは予測している。

このガソリン価格の高騰とともに、アメリカは、エネルギー源を分散して、外国産の石油に対する依存を減らすべきであるという声も高まっている。しかし、エタノールはクリーンであり、エネルギー危機すらきれいに燃やしてしまう解決策であると吹聴する政治家の言うことを、あまり信じ込まないほうがいい。

ガソリン価格が「過去最高」に達した? これについて、メディアが言っていることを信じていてはいけません。 ほとんどの記者は、インフレ調整を忘れています。ガソリン価格は、1920年代や1980年代の方が高かったのです。 この続きは、「Myths, Lies, and Downright Stupidity(神話、嘘、ただのバカ)」でお読みください。この本はこちらでお買い求めください。

奇跡的な解決策?

その答えがエタノールだという説は、一つの神話である。エタノールは、今度の選挙戦において、共和党と民主党の両方候補の主張が一致している論点の一つだ。ジョン・マケイン上院議員(共和党・アリゾナ州)、および、前ニューヨーク市長ルディ・ジュリアーニ氏は、ともにトウモロコシを原料とする燃料に対する支持を表明しているし、ヒラリー・クリントン上院議員(民主党・ニューヨーク州)、バラク・オバマ上院議員(民主党・イリノイ州)、および、ジョン・エドワーズ前上院議員も、エタノールの生産に対し、政府から補助金を出したいと考えている。前マサチューセッツ州知事のミット・ロムニー氏は、「エタノールの経済的重要性は、今後ますます高まります」と言っている。

このような政治家にとってエタノールが重要なのは、彼ら自身の言によれば、エタノールが、地球温暖化を遅らせ、環境を保護し、アメリカの外国産の石油に対する依存を低下させる、クリーンで再生可能なエネルギー源だからだ。 しかも、エタノールはトウモロコシから作られ、そのトウモロコシはわれわれが育てているのだから、きわめて自然だというわけで、なんだかよさそうな話に聞こえる。

だが、もしエタノールがそんなにいいのならば、それに補助金を出したり、消費を義務化したりする必要はないはずだ。ケイトー研究所のジェリー・テイラー氏は、「現代の経済において、何かを市場に出すことによって利益をあげられるならば、政府が頭に銃を突き付ける必要はないはずだ」と言っている。

にもかかわらず、エタノール生産者は、自分たちの製品を売るために、政府の補助金を必要とする。と言うのも、補助金がなければ、エタノールはガソリンより高くついてしまうからだ。さらに、評論家は、エネルギー価格や外交政策や環境の観点からエタノールがアメリカの利益になる、という説も神話にすぎないと指摘している。

エタノールの生産過程

ジェリー・テイラー氏は、「20/20」(ABCの番組)のインタビューにおいて、「エタノールの生産時には、肥料を作り、トラクターを走らせ、サイロを建て、トウモロコシを処理工場に運び、処理工場を動かために、大量の化石燃料を必要とする」ということを思い出させてくれた。さらに、エタノールを運ぶのにもエネルギーが必要だ。エタノールは劣化するので、石油のようにパイプラインで輸送することはできない。したがって、エタノールを使うということは、その供給のために、汚染を撒き散らすトラックを今まで以上に走らせなくてはならないということを意味する。

このような理由で、最近の研究の多くでは、エタノールを生産するには、エタノールを燃やしたときに得られるのと同じくらいのエネルギーが必要だと言われている。「エタノールの純エネルギー収支はほとんどゼロです」とテイラー氏は言う。

その上、エタノール車からの排気は、環境に対してもクリーンではない。スタンフォード大学の大気科学者であるマーク・Z・ジェーコブソン氏によると、エタノールへの切り替えは、気候変動の問題をなんら解決しないばかりか、公衆衛生にとっても、エタノール車の排気ガスはガソリン車の排気ガスよりも悪い可能性があるという。

エタノール車の排気の方が、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの発癌性の化学物質を多く含んでいるし、エタノール車は、人々の免疫系を弱めて肺損傷を引き起こす大気中のオゾン濃度(スモッグの主成分)を高める、とジェーコブソン氏は言っている。

さらに、エタノールを作るためのトウモロコシ生産の増加は、さらなる肥料や農薬の使用につながるので、これがさらなる温室効果ガスを発生させるだろう。

政治家はなぜエタノールが好きなのか?

では、エタノールがちっとも安くなく、環境にもよくないとすれば、なぜ政治家にそれほど人気があるのだろうか。

「大統領になりたい人たちが、トウモロコシ・エタノール政策を支持することになんの不思議もありません」とテイラー氏は言う。「最初の党員集会が行われたのは、アイオワ州です。このアイオワ州の予備選挙では、トウモロコシの神に子供たちを捧げる気がなければ、得票数の1パーセント以上を獲得することはできないのです。」

中西部の有権者とうまくやりたいと思ったら、トウモロコシの生産者と仲良くする必要があるということを、大統領候補は知っているのだ。大統領候補は、エタノールに対する補助金の支給を推進することにより、中西部州の重要な選挙区の有権者を喜ばせながら、いかにも環境に優しい人のような顔ができるし、アメリカが「エネルギー自給」という聖地に向かっていると、有権者に信じこませることもできる。

インディアナ州のエバン・バイ上院議員は、ABCのインタビューに対し、「わが国は、輸入石油への依存度を、どんどんどんどん増やしてきました。これは健全ではありません」とぼやいた。

「でも、エタノール政策は、パウロに金を払うためにペテロから金を盗む(訳注:「無意味なやりくりをする」という意味の慣用句)のと同じことではありませんか? 私たちみんながペテロで、トウモロコシ生産者がパウロなんですよ」と尋ると、バイ氏は「現状では、中東のシャイフに金を払うために、わたしたちの金が盗まれているんです」と言った。「アメリカ中西部の農場にアメリカの燃料を生産してもらう方が、理にかなっていると思いませんか?」

エタノールは何の役に立つのか?

だが、エタノールは、アメリカの外国産石油に対する依存症を治してはくれない。米国科学アカデミーの会報に発表された調査によれば、アメリカのトウモロコシのすべてをエタノールに変えても、アメリカのガソリン需要の12パーセントしか満たさないと言う。

中東諸国が、アメリカへの石油供給を止めただけで、アメリカは人質をとられたも同然だ、というような議論は無意味であるとテイラー氏は言う。「アメリカが中東諸国に人質をとられているですって? 中東諸国の歳入の80~90パーセントは石油の売り上げから来てるんですよ。彼らは石油を売らずにはいられないんです。他に売る物がないんだから。」

テイラー氏は正しい。たとえOPECがアメリカに石油を売ることを拒否したとても、世界中の石油は最終的には同じプールに流れ込むのだ。アメリカの敵も、別の誰かには石油を売るだろうし、その誰かはまた別の誰かにその石油を売るだろうし、結局そのまた別の誰かがアメリカに石油を売るだろう。

ある燃料源が、高価で、環境に優しくなく、アメリカの外交政策の役にも立たないのならば、それを生産するための費用を払うことを納税者に強制する理由はない。

テイラー氏は言う。「これは、トウモロコシを買う人からお金をとって、そのお金を、トウモロコシを育てたりエタノールを作ったりして生計をたてている人にあげることを目的とした、露骨な所得移転政策なんですよ。それだけのことです。」


ちなみに、ジョン・ストッセルというのはこういう人で、ケイトー研究所というのはこういう研究所であるということは、言っておいたほうがいいかも知れませんね(^^)。ただし、この内容が3大ネットワークで放送されたということもお忘れないように。あとは、読んだ人の判断におまかせします(^^)。

ぼく的には、こういう意見がもっと出てこない方が不思議ですけどね。ここに挙げられていない論点も、まだたくさんあると思うのですが。

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GMail の POP3 フェッチにはお気をつけあそばせ

 スタンドアロンのメールクライアントから GMail に全面的に以降してはや数ヶ月。当初は、プロバイダのメールアカウントから GMail にメールを転送しなければならず、ちょっと面倒だったのだが、POP3 アカウントから直接メールをフェッチする機能が GMail についてからは、完全に GMail に頼りっきりになっていた。

 もちろん、特定の企業の無料システムにそこまで依存する危険性は、ぼくだって承知しているつもりなのだが、GMail があまりに便利すぎるので、そんな現実からも眼をそむけようとしがちであった(^^)。

 …が、やはり落とし穴はあったのだ (^^)。

 始まりは、クライアントからのメールだった。数日前に納品したはずなのに、クライアントから受け取りの通知が来ない。おかしいなあ。ずいぶん急ぎみたいなことを言っていたのに、こっちには働かせといて、連休で休んでるのか? などと思いつつ、クライアントに確認のメールを出す。

 さらにメールをチェックしているうちに、日垣隆氏の「ガッキィファイター」のメルマガも来ていないことに気づく。おっかしいなあ。料金は毎月引き落とされているはずだが、などと思いつつ、日垣氏にも確認のメールを出す。

 さらにメールをチェックしているうちに、もっとおかしなことに気づく。あれ、そもそも、ここ数日の間、メール自体が来てないんじゃないの(^^)? いや、メールが少ないとは思っていたのだが、連休のせいだろうと思って深く考えていなかったのだ。

 それで、もしやと思って、GMail の設定をチェックしてみた。[Settings] -> [Accounts] -> [Get mail from other accounts:(download mail using POP3)]。すると、

Last checked: 3 days ago.

すりぃでいずあごぉ? なんじゃそりゃー!

…どーりでメールが来ないわけだ(^^)。あわてて "Check mail now" をクリックしたら、来ましたよ。クライアントのメールも「ガッキィファイター」も。ついでに、別のクライアントからのオファーも来てましたよ。あやうく仕事まで逃すところだったよ。

 後で Google Group の GMail Help Discussion を調べてみたら、そういう報告は前からあがっていたみたい。

I use gmail as a webmail client. I use pop3 account to fetch mail from some other account from my own domain. Everything is working fine except that gmail doesn't seem to fetch emails on regular basis. I have to click on "accounts->Check mails now" to get the new emails. For example right now it says, last time gmail downloaded messages from my pop3 account was 2.5 hours ago. Is there a settting on my POP3 server or gmail account where I can set gmail to getch every 5 minutes or so.

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I'm getting the same problem. It says, "Mail last checked, 3 days ago." When I click on History, it says it hasn't been checked since Feb 9. This is on two separate domain accounts, so it's definitely Google's problem.

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when fetching mail from a POP3 account into GMail, how can I set the frequency with which the mail should be fetched? My problem is that the interface shows something like "last fetched 3 days ago" and there is no link saying "check email now" (as it used to be). the fetching process seems to be stuck somehow. it works once, though, when i delete the POP3 account and set it up again in GMail. Then it gets stuck again. Any idea what i could do here?

うーん、やっぱり負荷が重過ぎるのだろうか。でも、ここまできたら有料サービスにしてもいいから、がんばってもうちょっと信頼性を高めてほしいね。

 まあ、とりあえず、GMail のフェッチ機能を使っている人は、ときどき設定をチェックして、ちゃんと定期的にフェッチされていることを確認したほうがいいです。はい。

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