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西部・宮台対談

 「マル激トーク・オン・ディマンド」で西部邁氏と宮台真司氏が対談するという驚きの企画をやっていました。このお二人はながらく対立関係にあって、テレビの生放送中に宮台氏に論破された西部氏が席を立って帰ってしまったという有名なエピソードがあるほど。そんなお二人が対談したとあって、つい、野次馬的興味で観てしまいました (^^)。

(といいつつ、ぼくは残念ながらその決定的瞬間を観てないのですが(^^)、見ていた友人の話によると、西部氏が退席する姿を見て哄笑する宮台さんの姿はまるで悪魔のようだったそうです (^^)。その友人は、今度の都知事選で共産党候補に投票しろとかいうような人で、西部氏とは思想的にほど遠いはずなのですが、宮台氏の哄笑する姿があまりに怖すぎて、まったく宮台氏に共感できなかったそうです (^^)。見てみたいなあ。ようつべとかにアップされないかしら(^^))

 で、結論から言うと、はっきり言って気色悪かったです (^^)。いったい、宮台サンはなぜ西部さんを持ち上げようと思ったのか。申し訳ないのですが、何をたくらんでいるとしか思えない (^^)。だいたい、あれだけフェミニズムに対するバックラッシュを批判していた宮台さんが、「バックラッシュがあるのは当然だ」はないでしょうが (^^)。あの人は結局、自分が頭がいいということを見せたいだけなのかなあ思ってしまいましたよ。まあ、柳沢発言問題のところだけはちょっと共感したけど。

 西部さんの話も、言ってること自体は基本的に間違ってるとは思いませんよ。でも、新しい話や独自性のある考えはほとんどないですよね。きつい言い方をすれば、二周三周遅れの話だけしかしていない。そんなことはとっくにみんな承知していて、そこから先を悩んでいるんじゃないかと思うのですが、それをさも自分だけが気づいていることであるかのように、しかも酔っぱらいのような口調で延々と喋るので、正直ウンザリしました。

 それじゃあ、そのへんの議論好きオヤジの独演会とかいっしょで、その程度の話なら、ぼくだってできるって (^^)。それで知識人批判とかされてもねえ。じゃあ、知識人としてもたいして価値のある話もできなけりゃ、一般庶民でもないという西部氏自身のスタンスはなんなんだと思ってしまう (^^)。

 西部さんは、全面的な改革を否定し、漸進的な改革を主張するのが保守だみたいに言ってたけど、全面的と漸進的の間にはっきりした線なんかひけっこないじゃないですか。だいたい、人類はすべて 40 億年前の DNA を引き継いでいるし、人間個体だって、常に一瞬前の肉体や記憶を引き継いでいるんで、そういう意味では、人間や生物は基本的に保守なんですよ。

 つまり、極端に言えば、人間のやることに「全面的」な改革なんてありゃしない。あるとすれば、人間であること自体をやめるとか、生物であること自体をやめるとかしかないけど、それだって、「人間が」人間であることをやめるという以上は、人間であるという連続性はどこかに残っているんだよね。

 だから、私はむしろ逆で、保守より目((c) バザロバ・ナタリア)、じゃなかった、人間は完全に保守的になることもできなければ、完全に革新的になることもできなくて、保守と革新の差なんて、所詮は程度の差にすぎないはずなんだよね。そういう意味では、日和見主義で場当たり的な政策をとっている政治屋さんたちのほうがよっぽど現実的であって、どっちがより「真の保守」か、なんて言ってる方が、よっぽど観念的だと思う (^^)。

 今書いた意見だって、十年ぐらい前に橋爪大三郎さんが書いてた意見を、ぼくが自分なりに言い換えただけであって、ちっとも新しくもなんともありゃしないんだけどね (^^)。そんなことを、一般向けのメディアならまだしも、丸激のようなメディアで今さらきかされても、うんざりするだけだよね (^^)。

 ぼくは、坂道で踏むブレーキとしての保守には存在意義があると思うけど、もともと、完全にノーブレーキで突っ走ってる奴なんか誰もいないし、一部の自称保守は、むしろ、坂の途中を目指してバックして逆走しようとするでしょう? それは、ぼくに言わせれば、革新のメンタリティなんだよね (^^)。真の保守なるものがいるとすれば、それは、最終的には坂の下にずり落ちることを承知で、ブレーキを踏み続ける人、言い換えれば、負けを承知で闘い続ける人だと思う。

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