ヨーロッパ最後の封建国家が民主化へ
無知で今日までまったく知らなかったのだが、「ヨーロッパ最後の封建国家」と呼ばれていた島が、民主化されることになったらしい。
その島というのは、イギリス海峡のチャンネル諸島の一つであるサーク島。なんと、エリザベス一世の時代に領主に与えられた権利を、そのままずっと引き継いできたらしい。日本で言えば、江戸時代以前の体制でずっと暮らしていたようなものだよね。
それをなぜ今さら変えることにしたかというと、圧制に耐えかねた住民が自由を求めて一斉に蜂起したとかいうことではまったくなくて (^^)、たまたまサーク島の隣にあるブレッチョウ島という小さい島に住んでいた、新聞社などを経営して有名なデビッド&フレデリック・バークレイ卿という双子の実業家が、その体制はヨーロッパ人権条約に反しているのではないかと指摘したから、というはなはだ散文的な理由だという。
それで封建領主側も条約に反しないようにいろいろ調節を図ったのだがうまくいかず、最終的に住民投票にかけた結果、民主的な議会を設立することになったんだとか。
イギリスのことに詳しいとはとても言えないぼくだけど、なんだかとても面白い国だとは思う (^^)。 なお、映像だけ見てるとのどかで牧歌的な島に見えるかもしれませんが、実はタックスヘイブンとしても有名な島であるということも申しそえておきます。
余談: たまたま正月に読んだ白田秀彰さんの「インターネットの法と慣習 」 にも、英米の慣習法の起源のお話が出ていて、そんなのは法学部の人にとっては常識らしいのですが、ぼくのような素人にとってはかなり興味深かったです。法と慣習の関係というのも、自分なりに整理しようと思ってヒマを見てはいろいろと理屈をこねているのですが、なかなかすっきりと理解できません。白田さんは、法制度をシステム論的に語れる数少ない人だと思っているので、今後もご活躍を期待しております。もっとも、全体として見ると、やはり本書の原型である HotWired でやっていたウェブ連載の方が内容がディープで面白かったですね。もちろん、これはあくまで個人的な好みであって、白田さんや出版社サイドにはまたいろんな思惑があるんでしょうけど。
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