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脳科学関係ニュースをいくつか

 脳科学関係で面白いニュースがいくつかあったので、簡単に要約してご紹介。

パーキンソン病に針治療が効くかも?(news@nature.com)

 パーキンソン病というのは、脳内のドーパミンレベルの低下に関係すると言われているが、このドーパミンレベルの低下針治療によってが抑制できることを、韓国の研究者がマウスの実験で実証したという。

 その実験の概略はこうである。まず、マウスに MPTP という物質を注射して、ドーパミンを生成する細胞を殺す。その後、マウスを 3 つのグループに分け、それぞれ異なる治療を施して、ドーパミンレベルの低下を観察する。

 1 番目のグループには、筋肉の動きに関係のあるツボだとされる、ヒザの裏と足の上に 2 日に 1 回針を打つ。2 番目のグループには、ツボとは関係のないところに針を打つ。3 番目のグループにはなにもしない。

 一週間後、2 番目と 3 番目のグループでは、ドーパミンレベルは半減したが、1 番目のグループでは、約 8 割程度が残ったという。

 もっとも、韓国ではすでにパーキンソン病の治療に針治療を取り入れているところがあり、薬物の効果を長続きさせる程度の効果は期待できるが、有為な差が出るほどのサンプル数はなく、それで「治る」とはまだとても言えないとのこと。

 また、この方法をパーキンソン病の治療に応用するには、かなり早期に診断して病気を発見する必要があるという。なぜなら、パーキンソン病の症状が現れるころにはすでにドーパミンのレベルはかなり低下しているので、それから低下を抑制しても遅いからだ。

 とは言え、この研究が、針治療の科学的根拠を解明する上で重要であることは、専門家も認めているという。

 マイケル・J・フォックスもびっくり?

「幻肢痛」がバーチャル・リアリティで治る?(National Geographic) 

 「幻肢痛」というのは、四肢の切断手術を受けた患者がしばしば経験する症状で、患者は、あたかも失われた手足がまだ存在していて、ありえない形に捻じ曲がっていたり、指が掌に食い込んでいたりするような感覚とともに、激しい痛みを覚えるのだという。

 この症状については、16 世紀頃から知られているが、その原因はまだはっきり解明されておらず、鎮痛剤や脳に電極を埋め込んで刺激するなどの療法がとられてきた。

 カリフォルニア大学のラマチャンドランによれば、そもそも幻肢痛が知覚神経終末に起因すると考えるのが間違いなのだという。彼によれば、真の原因は脳にある。脳の中には、失われた四肢からの信号を受け取るはずの場所があり、四肢が失われることによって、その場所は身体の別の部分からの信号を間違って受け取るようになる。そのため、顔の動きなどが痛みとして感じられるのだという。そして彼は、この理論を元に、鏡を使った治療法を考案していた。

 このラマチャンドランの治療法をバーチャル・リアリティを使ってより発展させたのが、ミシガン大学のペティファーである。彼の治療法では、まず、患者にヘッドマウント・ディスプレイとデータグローブを装着させる。ディスプレイには仮想現実が映し出されるので、患者には、その世界の中で、データグローブを使って仮想的な運動をしてもらう。

 その運動は、現実の世界では、もちろんまだ存在している方の四肢によって行われるのだが、仮想現実の中では、あたかも失われた四肢が行っているように変換されて表示される。

 ペティファーの研究によれば、この治療を受けた 5 人の患者は、その後 2 日間程度にわたって症状が緩和されたという。

 ラマチャンドランによれは、彼やペティファーの研究は、脳神経学界に 50 年以上も続いてきた、脳と身体が固定的に結びついているという概念を覆すものだという。そして、「幻肢痛」以外の神経学的な機能不全も、このような方法で「リセット」できる可能性があると主張している。

 いやー、まるで「マトリックス」の世界ですなあ。「そこにスプーンはない」ではなく「そこに四肢はない」ですよ (^^)。

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