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What is Integrity?

 メンバーが不祥事を起こしたので、野球チームを解散すると言っていた監督が、ファンの意向を受けて解散を取り消したという出来事がありました。この出来事については、mixi なんかでも、かなり斜めから見てる人が多いみたいですけど (^^)、正直、ぼくもこうなるような気はしてたんですよね~(^^)。でも、何か釈然としないものがあるので、自分の頭の中を整理するためにも、少し考えてみたいと思います。

 まず、この監督の真意はおいといて、客観的に球団や監督に責任があったかを考えて見ましょう。ぼくは基本的に責任はない、もしくは、あっても極めて微量であると思います。なぜなら、あれはあくまでメンバー個人の私的な行動にすぎないからです。一般の会社についてもそうですが、社員が会社の職務として行っていた行動の結果について会社が責任を負うのは当然でしょうが、社員の私的な行動にまで責任を負う必要はないと思います。

 責任というのは権限から発生するものだから、もし会社が社員の私的な行動にまで責任を持たねばならないのなら、必然的に、会社は社員の私的な行動まで束縛する権利を持ってよい、ということになってしまいます。これは、リベラルな社会において、原則的にあってはならないことでありましょう。先ごろ、NHK の記者が放火をしたということで、NHK の上司が謝罪していましたが、ぼくは、同じ理由でこの謝罪も不要だったと思っています。話がそれましたが。

 次に、この監督の対応についてですが、彼の意図をあれこれ詮索しても水掛論になるだけなので、彼が単純に翻意した場合と、最初から撤回するつもりで解散を表明した場合と、両方考えてみることにします。

 まず、単純に翻意しただけの場合ですが、もともと責任はないという私の立場からすると、ない責任を認めてしまった最初の発言が間違いだったということになります。その意味で、球団の監督としては思慮が浅かったという批判は当然成り立ちます。

 ただ、人材というのは希少な資源なので、あらゆるポジションに最高の人材を求めても仕方ないんで、適材適所に人材が割当てられていることが重要なのです。つまり、組織の長は、その組織の運営に必要十分なだけの思慮があればいいわけです。そういう意味では、結果オーライにせよ、球団は無事存続しそうなわけで、彼は監督としての責任を一応果たしているとも言えるわけです。もちろん逆に、責任があるという立場からすれば、どうやって責任をとるかの意思表示もなく、発言を撤回したことが批判されるべきでありましょう。

 次に、最初から撤回するつもりで解散表明した場合ですが、確かにあざとい印象はありますが、先と同じ理由で、やはり結果責任としては彼は一応監督としての責任を果たしていると言えます。ただ、この場合に問題なのは、彼が一度は自ら責任を認めていることです。それが一時の気の迷いでなく、すべて意図的だとするなら、彼は本当は自分に責任があると思っているのか、それともいないのか。

 もし、本当は責任がないと思っているのに、わざと責任があると言ったのなら、責任をとらないという行動は正当化されますが、心にもないウソを言ったきわめて不誠実な人だということになるはずですし、逆に、もし本当に責任があると思っていたのだとすると、彼は、本来とるべき責任を、ポピュリズム的な大衆扇動によってないことにしてしまったインチキな人だということになるはずです。

 いずれにせよ、この場合、彼は、責任の所在をはっきりさせ、とるべき責任は引き受け、とるべきでない責任は正しく拒否して組織を守るといった思想よりも、結果オーライで関係者を納得させられればそれでよいのだ、という思想を優先する人だということになります。これは、通俗社会学的に言えば、まさしく空気=ニューマ支配の思想ですよね (^^)。

 おそらく、彼の言動が反発を招いたのは、まさにこの点が理由なのではないでしょうか。私も含め、多くの人が、彼の言動の中にニューマ支配の影を感じ、そこに、視聴率 100% 男の姿を重ね合わせて、結局は空気を自由に操れるヤツが一番偉いのだ、というような主張の臭いを嗅ぎ取ったのだと思うのです。

 ただ、責任というのは、あくまで、思想ではなく行動に対して課せられるものであり、私はもともと責任はないという立場ですから、仮に彼がそういう思想を持っていたとしても、それだけでは、彼という人間に対する個人的評価を変える理由にはなっても、彼の行動を批判する理由にはならないんですよね。もちろん逆に、責任があるという立場からすれば、あるはずの責任をないことにしてしまった点については、当然批判されるべきでしょうが。

 結論として言えることは、関係者がこの結末に納得しているなら、外部のものがわざわざひっくり返そうとするほどの理由はないだろうということです。 ただ、それとは別の話として、彼に対する個人的評価を変える人がいても、それも仕方ないだろうと。そういう感じです。

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