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芸術マンガについて

茶箱広重 COCORO〈心〉」というのは、かわぐちかいじ氏があの大ヒット作「沈黙の艦隊」の直後に手がけたものも、あまり評判になることもなく短期間で連載中断してしまった作品ですが、今日コンビニに行ったら、「ダ・ヴィンチ VS かわぐちかいじ」とかいうタイトルで再版されたものが売っていたので、また「ダ・ヴィンチ・コード」に便乗してあざといな~、と思いつつも、値段も手ごろだったのでつい買ってしまいました(^^)。

 芸術をテーマにしたマンガというのは、けっこうたくさんありますが、どれも芸術の価値をいかに表現するかで苦労してると思うんですね。

 これがスポーツなんかだったら、消える魔球がほんとうに投げられるかどうかはさておき、もしボールが消えたら打てないだろうなあ、ということは誰にもわかるからまだいいのです。

らんぷの下 ところが、芸術の場合、その価値をもっとも端的に物語っているのは作品自身であり、それを言葉で語り直すのは美術の専門家だってかなり苦労することなわけです。しかも、本当に作品があればまだしも、多くの芸術マンガでは、架空の作品の魅力を語らなくてはならないわけですからね。

 だから結局、なにがスゴいんだかよくわからないけど他の登場人物にスゴイいとかなんとか言わせてごまかすとか、やたらウンチクを多くして教養でごまかすとか、あるいは、人間ドラマの方に焦点をあてるということになりがちですよね。

 特に、対象とする芸術が絵画である場合、マンガ自体も絵画による表現なので、作品自体を絵としてマンガの中に描かなくてはならない。そうすると、いくら登場人物が感心してみせても、「これがそんなたいした絵か?」と思ってシラけてしまうことが少なくありません。

火の鳥 鳳凰編  ぼくが知る限り、絵画をテーマにしたマンガでもっとも成功しているのは、「茶箱広重」や「らんぷの下」など一ノ関圭氏の一連の作品じゃないかと思うのですが、 これはなんと言っても東京芸術大学油絵科卒という作者の、圧倒的な画力と美術界に対する知識に支えられているからこその成功だと思うのです。

 あと、 思いつくのは「火の鳥 鳳凰編」とか。 まあ、あれは純粋に芸術がテーマとは言えないかもしれませんが、「火の鳥」シリーズの中ではわりと好きな作品であることは確か。

  かわぐちかいじ氏の「COCORO〈心〉」も、大成功だとは思わないのですが、なかなか意欲的な冒険作だと思いました。きっと、天下をとったときじゃないとやりにくいことをあえてやったんでしょうね。特に、ダ・ビンチの子供時代の模写は好きですね。おそらくこれが「瑠璃の波風」なんかの習作として機能してるんじゃないかなあ、と勝手に想像してしまいました。

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