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憲法問題非論理派宣言^_^;

 憲法改正問題について、やっと考えがまとまったので、書いときます(また友だち減るかも^_^;)。

 まず、基本認識として、もともと民主主義や憲法には逆説的なところがある、というのをおさえておく必要があると思います。たとえば、民主主義社会の質は、市民の質で決まるけれども、その民主主義的な市民を育てるのにいちばんよい方法は、実際に民主主義の社会で育つことだったりする。憲法についてもそうで、憲法は市民の合意の下に成立したということになっているけれども、その合意とは何かを決めているのが、憲法をはじめとする法制度だったりします。

 つまり、憲法と言う上部構造が下部構造を決める面と、市民の質と言う下部構造が上部構造を決めるという両面があって、これはサブシステムレベルでは顕在化しないけれども、憲法のようなメタシステムのレベルになると顕在化してくるので無視できない。これが大前提。

 さらに言えば、自分の国のことを規定する条項はまだよいのですが、他所の国が関与する問題については、もともと拘束力がないわけだから、せいぜい「国際平和を誠実に希求し…」てなことしか言えない。それ以上のことを書いたって、どこまで実現性があるかわからないわけです。他所の国から戦争を仕掛けられたら、粘り強く平和的に交渉する、でもいいし、実力で撃退する、でもいいし、無抵抗で降伏する、でもいいんですけど、そういうことを憲法に書いといたからといって、実際に実践できるかどうかは、そのときの国際情勢と国民や政府の質というパラメータに依存しているわけです。

 自衛隊の存在の是非についてそうです。仮に、世界平和を目指すというのが、メタ理論として日本人共通の合意だったとしても、その実現方法は一つではありません。自衛隊があった方が、国際社会で地位が得られるから、世界平和も実現しやすいという考え方の人と、いや、逆に軍備を持たないという立場を貫くことによって、国際社会で独自の地位を締めることができ、世界平和に貢献できるのだという考え方の人がいますよね。ぼくは、このどちらが正しいかと言うのは、メタ理論で一律に決めるべきものではないと思うのです。

 たとえば、もし海江田四郎みたいな、軍事的な才能が豊富でなおかつ世界平和に対する強い信念を持つ日本人がたくさんいれば、前者の方が実効性があるかもしれないし、軍事的な才能はまったくないけど、ネゴシエーション能力が高い日本人がたくさんいれば、後者の方が実効性があるかもしれない。逆に、戦争が好きなだけど軍事的な才能がないヤツばっかりだったら、前者を選んでもあまり意味ないだろうし、自分が死ぬのがイヤなだけで、他所の国の人はいくら死んでもいいと思っているヤツばっかりだったら、後者を選んでもあまり意味ないでしょう。

 シビリアン・コントロールの問題についてもそうです。憲法と自衛隊の不整合をほったらかしにしているから、モラル・ハザードが起きるんだというのも一理あるし、もともと憲法を守るという意識が無いから、不整合がほったらかしなのだという考え方もできる。このどっちが正しいかと言うのは、なんらかのメタ理論で決められるもんじゃないと思うのです。

 あるいは、こんなたとえをしてもよいかもしれません。泳げるかどうかは、実際に泳いでみなければわからない。畳の上の水練ではダメ、とよくいいますよね。もちろんそれは正しいのですが、だからと言って、生まれたばかりの幼児を鳴門の渦潮の中に叩き込むのは無謀でしょう。かと言って、絶対に溺れないという保証ができるまで泳がせなければ、いつまでたっても泳げるようにならないでしょう。結局、適当な時期を見計らって、泳がせてみるしかない。

 仮に、世界を平和に導くメタ理論があったとしても、それが実現するのが一千年後であるならば、今すぐに全面採用すべきではないでしょう。逆に、10 年後ぐらいであって、そこに至る道筋に確かな戦略を描ける人材がいるなら、世界に先駆けて採用すべきかもしれない。そういうことです。

 つまり、憲法を改正してよいかどうかは、なんらかのメタ理論で決めるべきものというよりも、実際に憲法を改正してもうまくやっていける人材がいるか、言い換えれば、国民が政治家や官僚を信頼できるかどうかで決めるべきだと考えます。この政治家や官僚なら、憲法改正後の海で泳がせても泳げる、と信じられれば、憲法改正に賛成してもよいし、信じられないなら反対する。

 もちろん、政策を実行する立場の人は、なんらかのメタ理論を持っていなけりゃ困るんですよ。そういう立場の人から見れば、自分や自分の仲間の能力というのも内生変数になるわけだから。でも、ぼくらみたいな、単に支持するかしないか決める立場の人から見れば、そのメタ理論を主張する人の能力というのも、外生変数の一つなわけです。

 そういうわけで、ぼくは、この問題の答えを理論的には決めないことにしました。ですから、政治家や官僚の皆さんは、憲法改正したかったら、ぜひとも私の信頼が得られるように行動してくださいませ。理論的に決めないという理由自体が理屈っぽいところが、いかにもボクらしくてよいでしょ(^^)。

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