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子供向けオンラインゲーム考

 お子さんがオンラインゲームにはまってしまって困っている、という話を知り合いから聞いた。ぼく自身は、オンラインゲームなどほとんどやったことがないのだが、アーケードゲームにはまった経験もあるし、親というものは、愛情のあまり客観的な視点を失いがちだから (それは必ずしも悪いことではない。為念)、あえて子供寄りのコメントをしてみたのだが、お気に召していただけたかどうか。

 それがきっかけで、未成年がオンラインゲームをやることの問題点について、少し考えてみた。これまでの子供向けビデオゲームの問題といえば、内容に含まれる暴力表現とか性表現のような表現の問題だった。これについては、雑誌などと同じで、レーティングしてアクセス制限するという考え方で基本的にはよいと思う。

 けれども、オンラインゲームというのは、単なる遊ぶための道具や手段に過ぎない他のオモチャと違って、それ自体が仮想の世界であり、他のプレーヤとコミュニケーションするための一種のメディアでもある。そのため、他のオモチャや機械相手のゲームとは異なる問題がいろいろと発生するのではないかという気がする。

 まず、機械相手のゲームでは、製作者がゲームの内容を完全に制御できるが、オンラインゲームでは、他のプレーヤ自身がゲームの内容の一部になっているわけだから、そもそも製作者にも内容自体を完全にコントロールすることができない。たとえば、ゲームの中で不良の友だちみたいなのができて、いろいろよからぬことを教えられるなんていう可能性があり、それを防ぐのはリアルの世界より難しいことが予想される。

 また、昔のゲームは、会員制定額料金のものが多かったらしいが、最近は、アイテム課金と言って、ゲーム自体に参加するのは無料なのだが、ゲーム内で何かのアイテムを取得すると課金されるという方式になっているそうだ。そのため、ゲームにはまってしまってから、肝心のところに来てアイテムがないと先に進めなくなり、お小遣いをはたいてしまったり、あげくのはては、不正な方法でお金を手に入れようとしたり、ということになるらしいのだ。

 もちろん、こういうのは商売の常道だし、一般論としては、金を払う側が注意すればよいことであると思う。子供向け商品に限っていっても、他に類似の手法はいくらでもある。連載マンガが毎回肝心のところで「つづく」になるのだって、お菓子のオマケがたくさんかわないと一式揃わないようになっているのだって、本質的には同じような手法である。

 ただ、先にも書いたように、オンラインゲームは単なる手段ではなく仮想の世界だから、その世界の中でどのような地位を得るのかという問題は、子供にとって、単なる遊びの勝ち負けを超えた意味を持つ可能性がある。そのため、アイテムに対する欲望も、普通のおもちゃやお菓子に対する欲望より制御しにくい可能性があるのではないか。

 また、ゲームの良さというのは、参加者全員が同じ条件のもとで能力を競い合うところにあるのだが、アイテム課金制だと、リアルの世界の経済力で、ゲームの結果に差がつくことになる。これが大人だったら、リアルの世界のお金も、自分の能力で獲得したものだからまだいいと思うのだが、子供の場合、そのお金というのは結局親からもらったお金である。そういう自分の力ではないものによって、自分の待遇をよくしようとするクセをつけるような舞台を作ることは、やはり、教育上問題があるのではないだろうか。

 また、通常親は子供に与えるお小遣いの額を制限することによって、子供がお金の力で人間関係を解決したりはできないようにしているわけだが、バーチャル世界とリアル世界ではお金の価値が違うので、リアル世界の 100 円をバーチャルの世界に持っていって買えるアイテムは、リアルの世界に持ってくると 100 万円ぐらいの価値がある、なんてこともありそうである。そうすると、親が子供の小遣いを制限するというような管理の意味が無化されてしまう可能性もあると思う。

(なんか、そのうちリアル世界とバーチャル世界の価格差を利用して儲けるヤツとか出てくるんじゃなかろうか。そうすると、リアルの世界から「年次改革要望書」とか出されたり、リアル/バーチャル為替市場ができて変動相場制になったり、バーチャルマネー発券銀行が金融政策をやり出したり、ナショナリズムならぬバーチャリズムみたいな運動が出てきて自由化反対とか言い出したりするかも。。。なんて考えてたら頭痛くなってきた(^^)。)

 つまり、親は通常、子供の行動範囲を制限することによって、その範囲内では子供を自由に行動させつつ、危険からは守ろうとする。だが、オンラインゲームというのは、単なるオモチャではなく、それ自体が、中にどんな人間が住んでいるかわからず、なおかつ、現実の世界では決してあり得ないようなことが平気で起こるような、一つの世界なのだ。だから、安易にこの世界を子供の行動範囲に含めてしまうと、管理が破綻する危険が無視できないのではなかろうか。

 もちろん、オンラインゲームだって、他のいろんな遊びと同じように、子供にかけがえのない体験や教育効果を与えることだってあるはずであり、一律に規制するのがいいとはまったく思わない。ただ、他のオモチャとまったく同列に考えていると足元を掬われるかもしれないと危惧するだけである。

 以上のようなことから、私は、健全な子供向けオンラインゲームには、次のような条件が必要ではないかと考えた。

  • 参加できるプレイヤーは子供だけ。大人が参加する場合には、不特定多数ではなく、責任のとれるスーパーバイザーだけにする。
  • 参加するには、身分証明と親の同意が必要。
  • 大人のプレーヤがゲーム世界内を巡回・監視し、子供の度を越したゲーム内行動に対しては適度に干渉する。ただし、あまり過干渉になってしまってはいけない。 (これは、子供プレーヤが一目見て大人プレーヤだとわかるようなキャラにするのがいいと思う。それで、「あ、大人が来た」とかいって逃げたりするのがまた面白かったりするのである。そんなことない?(^^))
  • アイテム課金はやめ、定額制にする。

 もちろん、オンラインゲームをろくにやったことのないしろーと考えであるから、いろいろと認識不足のところもあると思うので、ご参考程度にお読みいただきたい。

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