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敵を欺く奴は許せるが、味方を欺く奴は、やっぱり最低だ

 もうコメントすることもあるまいと思っていたライブドア問題ですが、「ライブドアに物申す!」の有識者コメントを読んでいたら、またちょっと言いたいことが出てきたので追加します(^^)。みなさんもウンザリされていると思いますが、どうかご勘弁を(^^)。

 ぼくが今回気になったのは、

 それに対して、「株式分割」「株式交換」「投資事業組合」などいわゆるグレーゾーンの問題はまた別である。松原隆一郎東京大学教授が言うように「資本主義そのものがルールのグレーゾーンを開拓するよう動機づけられている」のであって、法やルールの“想定外”のことを真っ先に(リスクを賭けて) “想定内”にしてしまった言わば先駆者が儲かるというのが資本主義の創造性の源泉の1つである。それが違法なのか倫理違反なのか、逆によい先例を作ったと誉められるのかは事後的にしか判定されず、まずいということになればルールが改定されることになる訳で、事実、株式分割は当局の指導で制限され、また「株券のペーパーレス化」によって株価吊り上げの道具とすることは封じられた。またニッポン放送株の買収の際に問題になった「時間外取引」も法改正で今では難しくなっている(高野孟氏)。

というご意見。

 実は、ぼくもこの主張は半分ぐらいは正しいと思ってるんですが、「株式分割」や「時間外取引」には当てはまっても、やっぱり「投資事業組合」には当てはまらないと思うんですよ。前にも書いたように、「株式分割」と「投資事業組合」の間には、株主に対する情報公開や合意形成の度合いの差があります。同じように、「時間外取引」と「投資事業組合」の間には、敵を欺くか味方を欺くかの差があると思うのです。

 市場経済は競争ですから、競争相手に勝つためには、ルールの範囲内で競争相手を欺く必要があります。たとえば、企業が新しいマーケットに進出しようと思ったとき、こっそり進出しては卑怯だからと言って、ライバル企業に事前に知らせてやるなんて企業はありませんよね。そんなことをすれば、勝てる競争も勝てなくなってしまいますから。フジテレビさんだって、新しい番組の企画を立てるときに、「うちの局では、次のクールにこの時間帯でこういう番組をやる予定ですから、ライバル局のみなさんも心してかかってきなさい」なんていちいち知らせたりしないでしょう(^^)? そういう意味で、「時間外取引」なんかは、野球で言えば「隠し玉」や「二段モーション」みたいなものだと思うんですよ。

 でも、「投資事業組合」を利用した自社株売買の場合、欺かれているのは、競争相手よりもむしろ、本来味方であるはずの自社の既存株主なんですよね。そういう意味で、これは野球で言えば、野球賭博がらみの八百長みたいなもんで、ワザ負けして年俸は減ったけど、その分ヤ○ザからお金貰ったからかえって儲かった、とか言ってるようなもんだと思うんです。八百長も、少なくともプレーだけを見て厳密に判定することは極めて難しいんだけど、だからといって、「うまくやった、好プレーだ」ということには絶対になりませんよね。それは結局、敵ではなく、味方を欺いているからです。

 だから、しつこいようですけど、一口にグレーゾーンといっても、それぞれ性質は微妙に違うのであって、ぼくに言わせれば、このような行為こそ、「ルール上はセーフでも倫理的には絶対アウト」なのです。もっとも、ホリエモン本人に、そういう微妙な差を識別するセンスがなかったらしいので、いまさらこんなことを言うのもちょっと虚しいんですけどね(^^)。

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