« 瞬間風速はあてにならない | トップページ | Princess Nori or Princess Claris »

米国発の和魂和才

 毎度つっかかってすんません。また asahi.com ネタです(^^)。この「『和魂和才』のすすめ」という記事、ご主旨はまったくごもっともなんですけど、どうも非常に神経にひっかかる部分があるんですよね。

 つまり、この人は、「和魂和才」の精神を訴えていながら、「日本人にはコンセプトを作る力がない」というアメリカ人の主張をほとんど鵜呑みにしているけど、ほんとにそうかぁ? とぼくなんかは思うんですよね。

 たしかに、歴史を見れば、日本発のコンセプトが世界に影響を与えた、という事例は少ないように見えますが、大衆文化やサブカルチャーの世界をよくよく観察してみれば、日本独自のものはいくらでもあると思うんですよね。いや、もちろん、まったく差がないとは言いませんよ。ただ、モノは実物を輸出するだけで伝わるけど、コンセプトというのは言葉でないとなかなか伝わりにくいんで、あることはあるんだけど、言葉の壁にはばまれてなかなか伝わらなかった、というのが最大の理由なんじゃないのかなあ。

 だいたい、日本の一般庶民はそれほど英語が得意じゃないんだから、ほおっておけば英語圏の文化に直接影響を受けることは少ないはずなんで、そういう影響を伝えているのも、結局、英語のできるインテリさんたちでしょう? もともと、一般庶民は平均してあまり観念的ではなく、むしろ、自らの快感原則に忠実ですから、コンセプトだけをありがたがって受け取るなんてことはないはずなんで、そういうことをして得するのは、常にインテリさんたちなんですよね。

 つまり、ちょっとばかし英語ができるからって得意になっている日本のインテリさんたちが、欧米のものばっかり新しがって日本に伝える一方で、日本独自の文化を英語圏に伝える努力をしないから、相互の影響が非対称的になってる、ってだけのことじゃないのかなあ? まあ、ぼくははっきり言ってインテリ階級にかなりコンプレックスを持っているんで、この発言にはそういうヒガミ根性が混ざっていることも否定しませんが(^^)。

 だいたい、日本のインテリって言うのは、カラオケだってジャパニメーションだって J-POP だって、最初はバカにしてるくせに、海外でも流行っているときくと、とたんに日本独自の誇るべき文化だ、とか言い出したりするように見えるんですけど。気のせいかなあ(^^)?

 今のアメリカ経済の強さだって、ジャパン・アズ・ナンバーワン時代の日本の QC 手法とかに影響を受けてるんじゃないですか? カイゼンなんて英語になってるぐらいだし、最近のスターバックスとかウォルマートとかの経営手法だって、けっこう日本的じゃないですか。実際、NY や LA には、日本人ですらよく知らないような日本の伝統文化やサブカルチャーにかぶれてる人もいっぱいいますしね。

 もっと極端なことを言うと、冷戦が終わったのだって、かなりの部分日本の影響だという見方だってあると思うんですけど。つまり、思いっきり戯画化して言えば、軍拡競争などに余計な金をつかわずに商売に徹した日本があまりに大儲けしているのを見て、米ソがバカバカしくなったのが冷戦の終結であり経済のグローバル化である、というふうにも言えると思うんですけど。だとすれば、あれこそ日本発の「平和主義」という「コンセプト」の勝利だったのかもしれないじゃないですか(^^)。

 とにかく、「和魂和才」までアメリカ人に言われて気づく、みたいな日本のインテリさんの悪い癖は、いい加減にやめてほしいと切に思う次第です(^^)。

|

« 瞬間風速はあてにならない | トップページ | Princess Nori or Princess Claris »

ジャーナリズム」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/67762/7125049

この記事へのトラックバック一覧です: 米国発の和魂和才:

« 瞬間風速はあてにならない | トップページ | Princess Nori or Princess Claris »