なんでアンクル・サムやねん
E 田先生のブログで見つけたアドルノの F 尺度のページ、自分でも測定してみました。結果は、2.56666666666666…「あなたは『自由主義者』です。 自己中心的、相対主義、即時志向、感覚主義、快楽志向が特徴です。」 やったー、オレは E 田先生より自由主義者だぞ、なんて、自慢することじゃないか(^^)。
内訳は、
- 因襲主義: 3
- 権威主義的従属: 2.8
- 権威主義的攻撃: 2.571428571428
- 反内省性: 2.75
- 迷信とステレオタイプ: 2.5
- 権力と「剛直」: 2.125
- 破壊性とシニシズム: 3
- 投影性: 2.6
- 性: 2.33333333333…
わりと平均して低いです。
もっとも、設問には結構どう答えてよいか悩むものが多かったです。たとえば、
- 権威に対する尊敬と従属は、子供が学ぶべき最も重要な美徳である。
従属はしなくてもいいけど、多少の尊敬は必要じゃない? というオレは、どっちなの?
- 実業家や工場経営者は芸術家や大学教授より社会にとってはるかに重要な存在である。
「社会にとって重要」の定義は? 人数で言えば、前者の方がはるかに多い (ん、今はそうでもないか?) だろうから、そういう意味では前者の方が「重要」だろうし、逆に、一人当たりの重要性で言えば、後者の方が「重要」ってことになるし…
-
この世には人間の頭脳では決して解明されないようなことが沢山ある。
「沢山」って、どのぐらいだったら沢山なの? そもそも問題として認識されていないようなものとか、原理的に解けないと「わかった」問題とかはどうなるの?
- 若者たちは、時として反抗的な考えを抱くものだ。 しかし、彼らも大人になるにつれて、そうした考えを乗り越えて自己を確立しなければならない。
反抗的な考えのまま、反体制的な人間としての自己を確立する、ということもあると思うんだけど、それはそれでいいの?
-
人間には、弱者と強者の二種類しかいない。
そりゃ、なんらかの尺度で「弱者」と「強者」に分類すれば二種類になるだろうし、「弱者」と「中間」と「強者」に分ければ三種類になるだろうし、もっといろんな観点で分類すればもちろんいろんな分類ができるだろうし、だからなんなの?
- 戦争や社会問題は、大地震や大洪水など他の要因によって全世界が崩壊することで終止符がうたれるだろう。
なんとなく聞きたいことはわかるけど、崩壊 (して人類が滅亡) すれば終止符がうたれる、っていう命題は、論理的には間違ってないですよねえ。ただ、実際には崩壊しないかもしれないし、他の方法によっても終止符がうたれうるかもしれない、ってだけで。
-
混乱を防ぎ、秩序を保つには、ナチスのように何らかの伝統的権威を利用するのが一番よいことだ。
「ナチスのように」っていうのがまた曖昧。ナチスのやったのとそっくり同じことをやれば「ナチスのように」なのか、それとも、伝統的な権威を利用することは、すべて「ナチスのよう」なのか。伝統的な権威をまったく利用しない、ということもありえないと思うんですけど。
- 人間の本質が今日のようなものである限り、常に戦争と対立は存在しつづけるであろう。
「武力による国家間の戦争」はいつかなくなるだろうと思っているけど、対立のすべてがなくなるとはまったく思っていないオレはどっち?
-
慣れすぎは侮りのもとである。
慣れ「すぎ」という言葉自体が、なんらかの閾値を前提としているのだから、どんなに慣れても絶対に侮りは発生しない、という人以外は、すべて賛成になっちゃうのでは?
- 真の日本文化を守るには、なんらかの強い力が必要である。
これも、強い力で守らなきゃなくなっちゃうようなものは、真の日本文化とは言えねえだろう、とかそういう疑問はあるんだけど、仮に、カッコづきの「真の日本文化」を (無理矢理) 守るという前提を正しいと認めるなら、それは「強い力」が必要かもしれないなあ、とは思うよ。あと、「強い力」ってのも曖昧。権力? 暴力? それとも単なる個人の努力まで含まれるの? 個人が文化を守ろうとして努力するのはいくらなんでも個人の自由だと思うんだけど?
まあ、これがアドルノさんのせいなのか、翻訳者さんのせいなのかはよくわかりませんが。(すんません。「自由主義者」なんで、アドルノさんの「権威」を尊敬する気もたいしてないです。はい。)
それにしても、なんでイラストがアンクル・サムやねん! しかも、これはアメリカで志願兵を募集するときに使った、「アメリカは君を必要としている!」みたいなポスターのやつでしょ? このサイトを作った人も、そうとうシニカルな人なんだろうね(^^)。
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