痛すぎて笑えない…
卯月妙子氏の「実録企画モノ」というマンガ、電子書籍で買えるようになったので読んでみました。
これは要するに、企画モノ AV 女優 (それも、NG 無し、つまり、SM スカトロなんでも OK を売りにする) である作者が、業界の内幕や私生活を露悪的に描いたマンガなのだが、特筆すべきは作者の壊れ方のすさまじさ。
そもそも、いかに企画モノといえど、AV 女優となればそこそこ儲かるはずだし、マンガの腕も、素人の手慰みなどというレベルではなく、美大でデザインを専攻したという本格派。その上、文章も書けば、自分で AV の監督や編集までしてしまう。つまり、この人かなりの才人なのである。
にもかかわらず、生活はビンボーだというから驚いてしまうのだが、なぜかというと、彼女の旦那がヒモどころか一種の山師で、彼女が稼いだ金を片っ端からあやしげな企画に使ってしまうからなのだという(本人は「企画モノ夫婦」だと自虐的に書いている)。
しかし、このマンガを読んだ限りでは、彼女がなぜそこまでして旦那に貢ぐのかもよくわからないし、単なる企画モノでなく、わざわざ SM やスカトロばかりやる理由もイマイチ納得できない。
自分の経験則からすると、こういう生き方をする人は、確かにある種「ピュア」で「お人よし」であることが多いのだけれど、このマンガからは、そのピュアな心と壊れた行動を結びつける手かがりが感じ取れないのである。
普通、自虐的なユーモアというのは、ダメとわかっていてもやってしまうその気持ちわかるなあ、というような読者の共感を誘うことが多いのだが、この作品の場合、むしろ、笑いでバリアーを張って、読者がそれ以上近づこうとするのを拒絶されている感じがする。したがって、本当に笑っていいのか戸惑うような感じが最後まで抜けなかった。(作者のホームページに出ているプロフィールによれば、子供の頃から精神分裂病の発症歴があったのだというので、そのせいかもしれない。)
もちろん、業界の内幕を垣間見れたという意味では、まったくつまらなかったわけでもないのだが、痛々しすぎて読んでいてつらいというのが正直なところ。こういう言い方は、作者にとってはかえって不本意で失礼なのだろうけど、そういうふうにしか思えなかったのだからしょうがない。一応謝っておきます。ごめんね。
(こういう作品については、ぜひ天才松本人志氏の評価を仰ぎたいところ。もし松ちゃんが評価するんであれば、ぼくもちょっと考え直してみるけど(^^))
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