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無邪気に還る

 教授が何かのインタビューで、自分には「少年ぽい甘さがあります」とか答えていたときには、正直「自分で言うかあ~?」と突っ込みたくなりましたが(^^)、確かに、若かりし日の教授の作品には、たとえば、YMO に提供した「音楽」であるとか、アッコちゃんに提供した「赤ちゃんのおしり」であるとか、「子猫物語」のサントラであるとか、「YOU」のエンディングテーマであるとか、糸井さんが詩を書いた「きみについて」とか、ある種の童心みたいなものを感じさせる一連の作品があり、ぼくはそういう作品を強く愛してきました。

 けれども、「SMOOCHY」を出し、中谷美紀さんのプロデュースをやりだしかころから、教授の作品はある種耽美的な傾向の方が強くなり、そういった傾向の作品は影を潜めていったような気がします。その理由は、いろいろと想像してみたりはするのですが、本当のところはわかりません。ひょっとしたら、家庭の事情かも知れませんし(^^)、今思えば信じがたいほど脳天気でいられたバブル時代が終わって、地下鉄サリン事件とか 9.11 とかシリアスな事件を身近に感じながら暮らす時代になった、そういう時代の流れに関係しているのかもしれません。

 「星になった少年」のサントラを聴いたときに、ぼくが第一に受けた印象は、そういう教授の無邪気さが久しぶりに戻ってきた、ということでした。それはもちろん、映画自体の題材の影響もあるんでしょうけど、それ以上に、教授の中でなにかがふっきれてより自由になったような感じを受けたのです。

 まるで、若い頃はとんがった作風で鳴らした画家が、老いてなお、一見素朴でありながら、より自由で大胆な絵を描きだすように、才気走った実験のための実験のようなケレンはみじんもないが、坂本龍一以外の誰にこれが作れよう、というしかない作品。ホント、音楽聴いて久しぶりに鳥肌たちましたよ。

 映画の題材からして、またアジアの民族音楽の要素をとりいれてくるんじゃないかと予想していたのですが、そんなところもほとんどなくて、一瞬、雅楽の笙を使っているのかと思ったところも、高音域の弦を複雑に重ねているだけのようです。もはや教授の中では、東洋音楽と西洋音楽の融合などというテーマも過去のものになり、なんのこだわりもなく自分の出したい音が出せるようになってきた、そんな気がします。

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