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ぶりっこ疑惑

 フジテレビの日枝会長は、「インターネットがテレビに取って代わることなどあり得ない」みたいなこと言ってましたが、ほんとにそんなこと思ってるんでしょうかねえ。ぼくには、とてもそうは思えないのですが。

 たとえば、4th MEDIA みたいに、セットトップボックスとテレビをつなぐだけで番組を見られるという状態になったら、ユーザーは、途中のメディアが地上波だろうがインターネットだろうが、別に意識しなくなって、とにかくコンテンツが面白い方を見るだけだと思うんですよね。その上で、i-mode みたいに、勝手サイトならぬ、勝手放送局みたいなのにも接続できるようになって、課金システムまで整備されたらどうなるか。

 民放の経営は基本的に広告料で成り立っているわけですから、インターネット放送に時間をとられて地上波番組を見る時間が少しでも減れば、その分広告料が減り、広告料が減れば、番組にかけられる予算も減り、予算が減れば、番組はその分つまらなくなり、番組がつまらなくなれば、その分さらに地上波番組を見る時間が減るという悪循環に陥ります。

 こういう流れは、最初は微々たるものでしかないでしょうが、徐々に加速していって、どこかで一気にフェイズ・シフトが起きるんじゃないでしょうかね。そして、いったんフェイズ・シフトが起これば、広告料が地上波テレビ局にだけ集中するという構造はなくなって、テレビ局主導の時代から、コンテンツ製作者主導の時代に移行するでしょう。

 だから、そのフェイズ・シフトが起きる直前までは、コンテンツを地上波だけに出し惜しみして時間をかせいでおいて、フェイズ・シフトが起きた瞬間に、コンテンツ中心の新しいビジネスモデルに移行して、インターネット放送界のトップになろうとしているのが、実は日枝会長じゃないかという気がするんですけどね。

 だって、日枝氏はこんなこと言ってるんですよ。(出典はこちら

  • 「インターネットは最大の脅威になりつつある」(日本経済新聞 2000年4月25日)
  • 「メディアを押さえなかったら、コンテンツをいくら作ってもダメ。蛇口を押さえないと番組を作っても流せない」(週刊東洋経済 2000年4.29-5.6号)
  • 「私は社内に対し、放送も通信に打って出ようと言っている。打って出ないと勝てない」(週刊東洋経済 2000年4.29-5.6号)

 もちろん、逆にその程度のことを考えてなかったら、経営者として失格だと思いますし、フジテレビの会長にまでなった人が、そんなに無能だとはどうしても思えないんですよね。だから、どうもテレビを見てるとぶりっこを演じているように見えて仕方ありませんが、それを非難する気はまったくありません。ただ、それほど同情する気にもなれない、というだけで(^^)。

 だって、別に、インターネット時代になったって、コンテンツ制作事業そのものがなくなるわけじゃないし、そういう意味では、全体として失業者が増えるわけでもなんでもないんですからね。第三者としては、競争が公平に行われてさえいれば、よりよいサービスを提供してくれる方を支持するだけのことで、それ以上でも以下でもありません。

 どっちでもいいから、早くインターネットで見たいものがいつでも見れる体制を作ってくれ!(^^)

付記:毎日インタラクティブを見たら、こんな言葉ものってました。

「ネットがテレビをのみ込むんじゃなくて、(将来的には)テレビがネットをのみ込むんだと思う。テレビは最も大衆に近いメディアだから。 」

ね。やっぱりこれが本音なんですよ。この場合の「テレビ」というのは、地上波というメディアのことではなく、「テレビ番組」というコンテンツのことでしょう。要するに、コンテンツ制作での優位性を利用して、インターネットの世界でも頂点に立ちたいと思っているんでしょう? ぼくもその通りだと思いますよ。だから、両方とも必死なわけでしょ(^^)?

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