好感度アップ
宮台真司氏が、ブログにこんな記事を。思わず目を疑いました。
■事件後の95年6月、オウムに惹かれる若者を論じた「終わりなき日常を生きろ」を出しました。主題は成熟社会の「つまらなさ」です。でも当時の僕は、問題の深刻さを見通せていませんでした。
■90年代前半から拡がる「ブルセラ・援交」の子たちに僕は「軽々と生きる」新世代の可能性を感じました。社会の流動性が高まっても、「やりようで」若者たちが感情的安全を得られると思いました。
■見込み違いでした。彼女らの多くは、疲れ、メンヘラー(精神科に通う人)になりました。人づきあいが苦手というより、つまらないから退却するタイプの引きこもりも増えました。僕は、成熟社会のつまらなさの問題をより深刻に受け止める必要に迫られました。流動性の高いコミュニケーションが与える殺伐さをどうするかです。この10年でそれが明瞭になりました。
あのプライドの高い宮台氏が、こんなに率直に自分の見込み違いを認めている文章を、私は初めて読みました。やはり、年齢を重ねることにより、心境の変化があったんでしょうかねえ。
今まで、宮台氏の本は、数冊読んだだけで敬遠していたのですが、これを見て、また読んでみようかという気になりました。もともと、能力はすごくある人で、ただ、性格的にちょっとひねくれているのが玉に瑕、という感じだったので、一皮剥けたら、(さらに)すごい思想家になるかもしれません。
本人が見たら、失礼に感じるかもしれないので、あえてトラックバックはしません。偶然見つかっちゃったら仕方ないけど。生意気ですみません。
追記: この記事にリンクしてくれた方(http://erka.jugem.cc/?eid=290)がいらっしゃったので、少々補足しておきます。その後、彼の著作を何冊か読み、丸激トークオンデマンドなどでも彼の話を何度か聞いたぼくの暫定的な結論は、やっぱりこの人の言うことは信用ならない、です(^^)。彼は結局いつも思いつきでもっともらしいことを言ってるだけで、しかも言うことがコロコロ変わります。それだけならまだしも、変わったことに対する自己批判がないから、彼の発言のどの部分を信用してよいかもわからない。
ぼくが丸激を見ているのは、他のメディアにはあまり登場しないゲストが出てくるからであって、宮台氏の見識を評価しているからでは残念ながらありません。彼の支持者は、いったい彼の発言のどこに価値を見出しているのか不思議でなりません。まあ、たまにはマトモなことも言いますが、それは彼でなくても言えるようなことばかりですし。そういう意味で、彼の言説に実用的な価値はほとんどないというのがぼくの現在の評価です。
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