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研究開発というリスク投資

 例の青色ダイオードの和解のニュースを見て思ったのですが、この問題の難しいところは、企業内での発明の場合、発明に対する、技術者の努力や才能の「寄与度」みたいなものを数値化するのが難しい、ということですよね。

 こういう問題は、どちらかが総取りするのが正しい、というような答えにはなりっこないので、ステークホルダーが協力関係を維持できるような分配方法を考えるしかないわけです。

 たとえば、簡単のために、ステークホルダーが資本家と技術者の 2 人しかいないとすると、

  1.  資本家が投資意欲を失わないだけの十分なリターンを与える
  2.  技術者が開発意欲を失わないだけの十分なインセンティブを与える

という 2 つの要件を満たすようなインセンティブ設計を考える、ということだと思うんですね。

 このような場合、資本家はリスクテイカーで、あえて研究開発というリスクの大きい投資をして、その分大きなリターンを得ようとしている。逆に、技術者はヘッジャーで、企業に所属することによって、研究開発という成果のバラツキの大きい仕事に対して一定の給料をもらうという形で、リスクのヘッジをしているわけです。

 したがって、形式的に言えば、両者は事前にこのような認識の上にたって雇用契約に合意しているはずだから、残りの収益は資本家側が総取りしてもおかしくないわけで、それが問題となるのは、

  1. 技術者に対するインセンティブとして、あえて報酬の一部を成果に連動させている
  2. 資本家・技術者双方の事前の予想を超えたアブノーマルなリターンが得られた

のどちらか(もしくは、この両方)の場合だけだと思うのです。

 そうすると、リターンがどのくらい大きかったらアブノーマルかということが問題になるわけですが、これは、CAPM のようなモデルを使えば、リスクの大きさとリターンの大きさの平均的な関係というのを、ある程度はじき出すことができるので、類似の研究プロジェクトの平均的なリスクから、平均的なリターンを求め、その範囲を著しく超えた分については、アブノーマルであると判断することができると思うのです。そうすると、このアブノーマル分については、技術者に還元したとしても、資本家の投資意欲は失われないはずですし、技術者がリスクヘッジのために払ったプレミアが高すぎたと感じることもないでしょう。

 もちろん、これだってそんなに厳密に計算できるわけじゃないでしょうが、5 % というのもたいして根拠のある数字ではないみたいなので、それよりマシな可能性はあるんじゃないかと思うんですけど。

 思いつきなので、はずしてたらごめんなさい。また時間があれば、改めて考えて見ます。

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