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見かけによらぬ美人本

 「美人(ブス)投票入門 」山本一郎著

 株式投資の理論には、効率的市場においては株価はすみやかにフェア・バリューに収束する、というアカデミズム正統ファンダメンタルズ派みたいなのと、株価は需給関係によっていかようにもなるという、現場叩き上げテクニカル派みたいなのの両極があって、もともと、「ケインズの美人投票」というのは、自分が美人と思う人(=会社)ではなくみんなが美人と思う人に投票しろ、という意味で、どちらかと言うと後者のニュアンスが強いのですが、この著者はバリバリのファンダメンタルズ派であって、この本に書かれているのも、あくまで、数々のトラップをかいくぐって真の美人を見極めるための方法であります。

 けれども、この本は、学者先生の書かれた本と違って、実際には真の美人が美人投票にノミネートされるとは限らない、という現実もきちんと押さえているし、自信過剰のギャンブラーの書いた本とも違って、わかることだけきっちり書き、わからないことは正直にわからないと告白する誠実さも併せ持っています。こういう本って、意外と少ないんですよね。

 毒舌調が嫌な人もいるでしょうけど、私の場合は、読んでるうちに照れ隠しだとわかってきて気にならなくなりました(なんて書くと怒られるかな(^^))。また、ある程度事情に通じた人にとっては、名前を伏せて引用された数々のエピソードに固有名詞をはめ込んでみる、といった、ちょっと意地悪な楽しみ方もあるでしょう。

 そんなわけで、投資理論の基礎を学んで、理論と実際をつなぐ橋渡しになるような本を探している人に、お勧めできる本だと思います。

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